目次

ビットコインとは、2009年にサトシ ナカモトという正体不明の人物の論文Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System に基づき開発された仮想通貨です。
この記事を読んでいる読者の方は、ビットコインの新規発行量が半減する半減期について、『なぜ半減期が設定されているのか』、『半減期はいつ起こるのか』など、さまざまな疑問をお持ちでなのではないでしょうか。
この記事では、『半減期の基本情報』や『半減期が設定されている理由』、『いつ半減期が起こるのか』について詳しく記載していきます。
(ビットコインの半減期について確認する前に、ビットコインについて詳しく知りたいという方は、以下の「ビットコインとは?」の記事をご覧ください)
ビットコインの半減期とは、ビットコインの新規発行量が4年に一度半減することを指します。
ビットコインではマイニングという作業でのみ新規発行が行われるのですが、このときに新規発行されたビットコインはマイニングを行った参加者(マイナー)に報酬として支払われているのです。
ですから、半減期とは、マイニング報酬が半減することも意味します。
マイニングとはビットコインを新規発行するための一連の作業のことで、不特定多数のビットコイン利用者が、約10分間の時間とマイニングするためのPCや専用のツールにかかる電気代などのコストをかけて行っています。
コストがかかるのに関わらずマイニングが行われるのは、報酬がもらえるからです。
ビットコインの半減期の概要を理解したところで、『ビットコインの半減期が設定されている理由』について紐解いていきましょう。
ビットコインの半減期とは 需要と供給の調整を行うためにが設定されていると考えられています。
半減期が設定されている理由は、需給バランスが調整されることで、『インフレの防止』や『ビットコイン自体の価値上昇』が見込めるからと考えられます。
加えて、ビットコインには『2100万枚という発行上限』、『10分間に1度発行される』ということが決まっているのですが、これらの特徴も『インフレの防止』や『価値の上昇』の一因となっているのです。
ビットコインのインフレとは、ビットコインの供給量が、参加者の需要を超えることで、ビットコイン自体の価値(価格)が減少することです。
数量限定のプレミア商品をイメージしていただきたいのですが、プレミア商品は供給量(商品数)に対して、需要量が大きく、希少性があるため価値が高いです。
ビットコインでも参加者の需要に対して、供給量は4年ごとに半減していくのでインフレは抑えられ、半減期を迎えるにつれて、供給量が減少し需要が上回ると考えられるので、徐々に希少性が高くなり価値が上昇すると考えられます。

図では、4枚という需要量に対して、6枚の供給量があるため希少性がなく、必要以上のお金をかけなくてもビットコインを手に入れられるようになりビットコインの価値が下落してしまう恐れがあります。
では、半減期が設定されている場合、上の図がどのように変化するでしょうか。

半減期によって供給量が減ることで、インフレは防止され、かつ、獲得できない人は倍以上のお金を支払ってでもビットコインを手に入れようとするため、インフレは抑えられ、かつ希少性の増加により価値が上昇するのです。
半減期によって供給量が減ることで、インフレは防止され、かつ、獲得できない人は倍以上のお金を支払ってでもビットコインを手に入れようとします。
これは、、○○個限定などのプレミア品に似たようなものです。
図では、需要が一定と仮定していますが、需要が一定の場合、供給量が減少するにつれて需要が供給を上回るので、ビットコインの希少性が高まり、価値が上昇すると考えられます。
ビットコインの半減期とは、4年毎に新規発行量が半減することで、『インフレの防止』や『価値の上昇』を図る目的で設定されていると考えられているのでしたね。
ビットコインの半減期には、良い影響を与える一方で、マイナーへ悪影響を及ぼす恐れがあると懸念されているのです。
次の段落で詳細を解説していきます。
半減期は長期的にみて、『マイナーのインセンティブ欠如』を引き起こす恐れがあります。
マイニングはコストがかかる作業ですが、報酬がもらえるため、ビットコイン利用者はマイニングを行っているでしたね。
ですから、ビットコインのマイニング報酬を減らす半減期は、マイナーのマイニングに対するインセンティブの欠如を引き起こしてしまう可能性があります。
マイニングは、ビットコインの新規発行とは別に、ビットコインの決済や送金などの取引(の完了)を承認する役割を担う重要な作業です。
もし、半減期によるマイニング報酬の減少によりマイナーの多くがマイニングを行わないという事態になれば、ビットコインのさまざまな取引が承認されないということになりかねません。
現在、ビットコイン(1BTC)の価値は上昇を続けており、2度の半減期によって報酬が、50BTCから12.5BTCに減少したもかかわらず、報酬は高額なものとなっていてマイナーのインセンティブの欠如は、顕在化していません。
しかし、20年後には報酬が1BTC以下になるので、報酬額が減少し、マイナーのマイニングへのインセンティブが失われるのではないかと懸念されているのです。
ビットコインでは、ビットコインの取引手数料もマイナーに与えらえるので、マイニング報酬が0になるということは起こりません。
しかし、報酬が減少することは、十分考えられます。
『ビットコインの概要』や『設定されている理由』、『半減期の影響』などを確認してきましたが、『ビットコインの半減期とは、いつ起こる』のでしょうか。
次の段落で解説していきます。
ビットコインの半減期は、『2012年』と『2016年』に起こっています。
そして、次の半減期は東京オリンピックが開催される2020年です。
何故、4年に1度なのかというと、
半減期は21万ブロックが生成されたときに起こることが設定されているからです。
ブロックとは、取引データをまとめたものでマイナーによって約10分に1度生成されています。
この取引データをまとめたブロックが、ブロックチェーンと呼ばれる取引台帳に追加されることで、取引の承認は行われています。
半減期の日数の計算
2100,000÷525,600=3.99...≒約4年
(21万ブロックを生成するのに必要な時間)÷(1年を分単位に変換した値)
ここまでの内容を理解していただいた方は、ビットコインについての理解がさらに深まったものになったかと思います。
ビットコイン以外にも仮想通貨は多く存在しますが、すべての仮想通貨に半減期が設定されているわけではありません。
ビットコインから派生したライトコインや、Zcashという仮想通貨には半減期が存在しますが、イーサリアムやリップルなどの仮想通貨には半減期は存在しないのです。
仮想通貨のなかでビットコインは特に有名で、それゆえ、ビットコインと同様の特徴を他の仮想通貨も持っていると思っている方もいるかもしれませんね。
しかし、実際は違います。
『仮想通貨の特徴』=『ビットコインの特徴』と勘違いしないよう注意してください。