目次

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  1. 「仮想通貨の利益にかかる税金が高い…?」
  2. 「雑所得」仮想通貨の利益の税区分
  3. 仮想通貨の所得(利益)額に応じた税率
  4. 仮想通貨で税金が発生するタイミング
  5. 【確定申告の方法】仮想通貨の利益の税金
  6. 確定申告を行わなかった場合の罰則
  7. 【節税方法】仮想通貨の利益の税金
  8. 【今後の国の対応】仮想通貨の利益の税金
  9. 【まとめ】仮想通貨の利益の税金
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最近仮想通貨への投資を始めた方の中には、

仮想通貨取引で大きく利益がでた!…でも税金で半分もっていかれるって本当…?
確定申告自体はじめてでわからない

という方も多いのではないでしょうか。

本記事は、ビットコインなど仮想通貨の利益に対して支払う必要のある税金と、その支払方法を詳しくご紹介いたします。

まず、仮想通貨の所得(利益)は「雑所得」と規定されています。

所得は下記、10種類のいずれかに分類され、それぞれ所定の税率が適用されることになります。

以下でご紹介する、税率の高さや制約の観点から、一番利益を出した人にとって不利ともいえるのが、雑所得という区分です。

税区分 概要
利子所得 共債・社債や預金の利子、公社債投信の収益の分配等から生じる所得
配当所得 株式の配当、投資信託の収益の分配金、出資剰余金の分配等から生じる所得
不動産所得 不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得
事業所得 商業・工業・農業・漁業・自由業などの事業から生じる所得
給与所得 給料・賞与などによる所得(給料やボーナス)
退職所得 退職によって受ける所得(退職金)
山林所得 5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得
譲渡所得 事業用の固定資産や家庭用の資産などを売った所得
一時所得 満期保険金や懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金などの一時的な所得
雑所得 他の9種類の所得のどれにも属さない所得

タックスアンサー

もともと、仮想通貨の利益への税金は区分が曖昧でした。

しかし、2017年9月の国税庁のタックスアンサーによって「雑所得」との見解が示されました。

以降、ビットコインなどの仮想通貨の利益については、雑所得として確定申告を行う必要があることが明確になりました。

[平成29年4月1日現在法令等] ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。 (所法27、35、36)

No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|所得税|国税庁

雑所得は他の所得と損益通算できない

雑所得は、他の所得と損益通算ができない点に注意が必要です。

損益通算とは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得において、損失がある場合、その損失を、所得税額の計算の際に他の所得から控除することです。

結果として、課税対象になる所得を減らすことができます。

例えば、不動産投資での損失を、サラリーマンとしての自分の給与所得から差し引いて、課税対象になる所得を減らすことが可能になります。

しかし、ビットコインによって100万円の利益が生じて、事業所得で100万円の損失が出ていても、これらを相殺して、課税対象の所得0円とすることはできません。

100万円の雑所得に関しては税金を支払い、事業所得は赤字ですので納税額は0円になります。

雑所得は、雑所得の中だけで損益計算を行うことができます。

ビットコインの売買によって100万円の利益が出て、別の仮想通貨であるイーサリアムの売買によって10万円の損失が出たとします。

この場合、100万円-10万円=90万円が雑所得となり、90万円の雑所得について税金が発生することとなります。

雑所得に区分される、仮想通貨の税率は、下記の表のように、利益の金額によって変動します。

(雑所得による利益が、20万円以下の場合、確定申告の必要はありません)

課税される所得金額 税率 控除額
~195万円 5% 0円
195~330万円 10% 97,500円
330~695万円 20% 427,500円
695~900万円 23% 636,000円
900~1,800万円 33% 1,536,000円
1,800~4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円~ 45% 4,796,000円

仮想通貨界隈で、一億円以上の利益を出した人は、「億り人」などと呼ばれますが、彼らの手元に最終的に残る利益は、45%の税金を差し引くと、約半分程度になってしまうのです。

会社員として、給与を受け取っているAさんをモデルケースとして見ていきましょう。

  • 職業:会社員
  • 年収:500万円
  • 仮想通貨の利益:2,000万円

※ここでは、計算を単純にするため、源泉徴収や控除、社会保険等を考慮しないものとします。

仮想通貨の利益に関わる税金を把握するには、Aさん上記でご説明した仮想通貨の利益にかかる税金以外に、住民税を考慮する必要があります。

住民税のメインは、前年の総所得額に対して、一律10%支払うものです。

つまり、総所得額の計算には、仮想通貨の利益も含みます

以下、Aさんの仮想通貨の所得(利益)への税金と、住民税の計算式です。

①仮想通貨の税金(雑所得)
年収(500万)+ 仮想通貨の利益(2,000万円)× 雑所得税率(40%)
= 1000万円

②住民税
年収(500万)+ 仮想通貨の利益(2,000万円)× 住民税の税率(10%)
= 250万円

= 1,250万円(仮想通貨の税金+住民税)

次に、仮想通貨で気をつけなくてならないのは、税金が発生するタイミングです。

主に、仮想通貨と引き換えに、経済的価値があるものを手に入れたタイミングで、所得金額の計算が行われます。

日本円と引き換えに、ビットコインを購入し、動かさずそのまま保持している場合は、課税対象にはならないことになります。

仮想通貨に税金が発生する具体的なタイミングは、以下の3パターンです。

  1. 仮想通貨でモノやサービスを購入(決済)した時
  2. 仮想通貨を売った時
  3. 仮想通貨で、仮想通貨を購入した時

それぞれについて詳しく説明していきます。

モノやサービスを購入したタイミングで、利益分に相当する金額が雑所得となり、課税対象になります。

例えば、10万円で購入したビットコインが30万円へ値上がりし、30万円のモノを購入します。 この場合、10万円の投資で、30万円分のモノを購入しているため、差額の20万円利益であり、雑所得となります。

また、10万円で購入したビットコインが30万円へ値上がりし、20万円のモノを購入した場合は、差額の10万円が雑所得となります。

なお、消費税のように、購入価格に税金が含まれるわけではありません。

後で確定申告して税金を納める必要があるため、ビットコインなど仮想通貨で購入した金額をメモする、または、領収書を保管しておく必要があります。

売った時の金額が、買った時の金額よりも大きければ、この差額が雑所得となります

10万円で購入したビットコインを30万円で売却した場合は、「売却価格30万円-購入価格10万円=20万円」が雑所得となります。

仮想通貨で仮想通貨を購入する際にも、税金が発生します。

多いのは、ビットコインやイーサリアムと、他のアルトコイン間の売買でしょう。

例えば、10万円で購入したビットコインが30万円に値上がりし、このビットコインでCOMSA30万円を購入します。

10万円の投資で、30万円分の仮想通貨を購入したため、30万円-10万円=20万円が雑所得となります。

何を購入するのかの違いだけで、考え方は仮想通貨でモノを購入した場合と全く同じです。

上記の例に当てはまらないケースとして、仮想通貨の分裂により、新しい通貨を手に入れるケースがあります。

この場合、受け取ったタイミングでは、新しい通貨の価値は0円とみなされ、所得計算を行なう必要はありません。

その通貨を売却したり、使用するタイミングに、利益が発生したとみなされます。

例えば、ビットコイン(BTC)の分裂の際、所持しているビットコイン(BTC)の枚数に応じて、ビットコインキャッシュ(BCH)が付与されました。

1BCHを付与され、BCHが1か月後、30万円になったタイミングで売却した場合は、30万円を利益として計算する必用があります。

確定申告とは、2月~3月15日の間に前年1年間(1月~12月分)の所得を税務署に申告することです。

確定申告というと、面倒なイメージがありますが、利益の金額さえ分かっていれば、それほど面倒ではありません。

税務署HPの確定申告書作成ソフトにその利益を入力するだけで自動的に納税額が算出されます。

ここで作成した確定申告書をそのままネット上で提出するか、印刷して税務署へ持参し、あとは税金を納付するだけなので、確定申告は以外と簡単かもしれません。

【Cryptact(クリプタクト)】確定申告ツール

Cryptact(クリプタクト)は、仮想通貨向けの無料損益計算ツールです。

取引履歴にもとづき、損益計算をしてくれます。

bitFlyerQUOINEXとも連携しており、確定申告のためにも登録しておきたいツールです。

Cryptact

確定申告を行わなかった場合、主に2つの罰則が課されることになります。

  • 無申告加算税
  • 延滞税

無申告加算税は、確定申告を行わなかったことに対して、課される税金です。

納付すべき金額に対して、50万円までは、15%、50万円を超えた場合は20%の割合を乗じた金額が課されます。

ただ、税務署の調査を受ける前に自主的に申告した場合には、5%の割合に軽減されます。

延滞税は、確定申告をすべき期日から、過ぎてしまった日数に応じて課されます。

年度や、延滞期間によっても、延滞税の税率は変動します。

  • 納付期限から2か月まで
    年「7.3%」か、「特例基準割合+1%」のいずれか低い方
  • 納付期限から2か月以降
    年「14.6%」か、「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い方

ただ、税務署の調査を受ける前に自主的に申告した場合には、5%の割合に軽減されます。

特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

No.9205 延滞税について|国税のお知らせ|国税庁

詳細は下記をご覧ください。

No.9205 延滞税について(国税庁)

では、これらの税金を節税する方法はあるのでしょうか?

結論からいうと、節税する方法はありますが、普通の投資家の方にとっては現実味が薄い方法や、大きなインパクトはないものがほとんどのようです。

ここでは、それぞれのインパクトは大きくないものの、比較的現実的で、取り組みやすい節税方法をご紹介します。

  • 本やセミナー、PCの費用を経費として計上
  • ふるさと納税
  • 年末までに、仮想通貨取引の損失を確定させる

本やセミナー、PCの費用を経費として計上

仮想通貨の勉強をするために、買った本や、参加したセミナーの費用などを経費として計上することが可能です。

必ず購入の際の領収書が必要になります。

ふるさと納税

ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附を行ない、引き換えに地域の特産品などをもらえる仕組みです。

ふるさと納税で寄附を行なうと、寄附を行った金額分、住民税または、所得税から控除(減額)することが可能です。 (年齢や家族構成別に控除上限が設定されています)

例えば、5万円を寄附した場合、住民税から5万円分が控除されます。

検討される方は、ふるさと納税をした場合の控除額のシミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。
「ふるさと納税」還付・控除限度額計算シミュレーション

年末までに、仮想通貨取引の損失を確定させる

基本的ではありますが、仮想通貨取引の損失を確定させることも、場合によっては必要です。

たとえば、日本円で購入したアルトコインが、購入した時点よりも値を下げているタイミングで、日本円に換金するとします。

購入した日本円金額と、再度日本円にもどした金額の差額が、損失として計上されます。

今後、価格が大きく上がる見込みがないのであれば、節税を検討してもいいかもしれません。

ここまで見てきたように、所得区分が雑所得にあたるビットコインなど仮想通貨の利益は、かなり税金が高くなる傾向にあります。

今後、税率が低くなったり、所得区分が変わる可能性はあるのでしょうか?

FXの利益も、仮想通貨同様に、雑所得として、総合課税方式として課税されていました。

しかし、2012年以降は分離課税方式が適用され、一律20%の税率が適用されるようになりました。

FXの例を見ると、仮想通貨取引の税率も今後改正の余地があるかもしれません。

総合課税方式
他の種類の所得と合計して、税率を適用する方式

分離課税方式
他の種類の所得とは分離して、所得毎に課税する方法

仮想通貨で利益をだした場合の税金について、ご説明いたしました。

仮想通貨の利益は、雑所得として処理され、その税率はかなり高いものです。

しかし、確定申告をしないと、罰則があり、さらに多くの税金を支払うことになってしまいます。

早めに税金の計算を行ない、確定申告の準備を済ませることをおすすめいたします。