目次

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  1. イーサリアム(ethereum/ETH)/dApps(ダップス)とは?
  2. イーサリアムを利用したdApps
  3. ①分散型取引所(DEX)
  4. ②ゲーム
  5. ③予測市場
  6. ④分散型ストレージ
  7. ⑤著作権保護
  8. ⑥身分証明
  9. その他のdApps「The DAO」
  10. dAppsの課題
  11. dAppsを利用する方法
  12. <まとめ>イーサリアムを利用したdApps
Large eth dapps

仮想通貨イーサリアム(ethereum/ETH)は、分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームです。

分散型アプリケーションdAppsとは、Decentralized Applicationsの略で、中央管理者がいなくても自律して稼働する、ブロックチェーン技術を利用したアプリケーションのことです。

イーサリアムでは、すでに1000個以上のdAppsがリリースされています。
dAppsのプラットフォームであるイーサリアムでは、dAppsを稼働させてそれを多くの人に利用してもらうことで、イーサリアムの価値は高まっていくということになります。

この記事にたどり着いた方の中には、

イーサリアムにはどんなdAppsがあるのか?
dAppsの開発状況を知りたい

などといった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

本記事では、イーサリアムからリリースされた主なdAppsと、その利用方法などをご紹介していきます。

まずはじめに、イーサリアムとdAppsについて、改めて確認していきましょう。

イーサリアムとはブロックチェーン上に、分散型のアプリケーション(dApps)を開発するためのプラットフォームです。

仮想通貨イーサリアム(ETH)とは、イーサリアムのプラットフォーム上で使用される通貨を指しており、時価総額は$85,210,591,623(※1)とビットコインに次ぐ第2位の規模を誇ります。

イーサリアムは、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行できることが特徴です。

(※1)2018年3月2日現在(参考:coinmarketcap

スマートコントラクトとは?

スマートコントラクトとは、(取引の)契約を人の手を介さず、自動で実行させる仕組みのことです。

イーサリアムの場合、スマートコントラクトをSolidityという独自のプログラミング言語で、契約内容とその執行条件を事前にプログラミングしておけば、執行条件が達成されたときに、中央管理者がいなくても自動的にその取引が実行されます。

また、このスマートコントラクトを実行するために、イーサリアムでは独自の通貨のEther(イーサ)を燃料(GAS)として使用しています。

スマートコントラクト

GAS(燃料)とは?

Ether(イーサ)とは、取引所で扱われており、仮想通貨通貨と認識している人が多いのではないでしょうか。

本来は投資商品ではなく、スマートコントラクトを実行するための燃料(GAS)の役割を果たしているのです。

Ether(イーサ)は、イーサリアムのプラットフォームを動かすために必要なトークンであり、ブロックを生成するマイナーへの報酬として、Ether(イーサ)が支払われます。

それでは次に、dAppsについて確認していきましょう。

dApps(Decentralized Applications)とは、中央管理者がいなくても自律して稼働する、ブロックチェーン技術を利用したアプリケーションのことです。

現在、スマートフォンなどで利用する、多くのアプリには管理者が存在し、データベースサーバーを構築しています。

一方、ブロックチェーン技術などを利用したdAppsでは、中央管理社がおらず、ユーザーがみんな同じデータを共有します。

ブロックチェーン技術を利用することで、サーバーダウンが実質起きず(ゼロダウンタイム)、データの改ざんが困難になります。

dAppsに投資するVCファンドのCEOであるDavid Jonstonによると、dAppsは以下のように定義されています。

  1. オープンソースであり、中央管理者のいない自律型のアプリケーションである
    市場からの意見でプロトコルの変更を可能とするが、必ずユーザーの合意のもとで変更内容が決定されること。
  2. アプリケーションと運用記録は、ブロックチェーンに格納する
    サーバーダウンなどの障害を避けるため、アプリケーションやその運用記録は、暗号化された分散型のブロックチェーンに格納されること。
  3. トークンを発行する
    アプリケーションの価値の向上のため、マイナーの報酬として発行したトークンを支払うこと。
  4. トークンはコンセンサスアルゴリズムに従って作成する
    アプリケーションが動作する標準化された、コンセンサスアルゴリズムによってトークンが発行されること。

また、広い意味では、ビットコインやイーサリアム自体も、dAppsの定義を満たすため、「dApps(タイプ1)」としています。

また、そのブロックチェーンを利用して、構築されるdAppsは「dApps(タイプ2)」と定義しています。

下記では、イーサリアムのブロックチェーンを利用して構築される、dApps(タイプ2)をご紹介いたします。

Type I decentralized applications have their own block chain. Bitcoin is the most famous example of a type I decentralized application but Litecoin and other “alt-coins” are of the same type.

Type II decentralized applications use the block chain of a type I decentralized application. Type II decentralized applications are protocols and have tokens that are necessary for their function. The Omni Protocol is an example of a type II decentralized application.

GitHub - DavidJohnstonCEO/DecentralizedApplications: Decentralized Applications White Paper and Spec

イーサリアムとdAppsについて確認したところで、次にイーサリアムのプラットフォーム上で運用しているの主なdAppsをご紹介します。

2018年3月1日現在、1,000個以上のdApps(参照:STATE OF THE DAPPS)がリリースされています。

dAppsには、以下のジャンルのアプリケーションがあります。

あくまでも、ジャンルを網羅しているわけではありませんが、下記ジャンルごとにリリースされているdAppsをご紹介していきます。

  1. 分散型取引所(DEX)
  2. ゲーム
  3. 予測市場
  4. 分散型ストレージ
  5. 著作権保護
  6. 身分証明

分散型取引所(DEX)とは、中央管理者が存在せず、ブロックチェーンネットワーク上で取引所利用者が直接やり取りをする取引所です。

普段利用することの多いZaifやbitflyer、BinanceやOKExなどは、中央管理者が存在するので中央集権型取引所と呼ばれ、秘密鍵は取引所に預けていることになります。

しかし分散型取引所では秘密鍵は自分で管理するので、取引所がハッキングされる可能性や、取引所の閉鎖によってコインが紛失するリスクが極めて低いことが大きなメリットとなり、今注目を集めています。

EtherDeltta(イーサデルタ)

「EtherDelta(イーサデルタ)」はイーサリアムベースで作成された、分散型取引所のdAppsです。

プロジェクト名 ジャンル トークン名 トークン発行上限
EtherDelta 分散型取引所 EtherDeltaToken(EDT) 15億EDT

EtherDeltaは、日本語は対応していないものの、未上場のコインやICO直後のコインの取り扱いが多いことが特徴です。

dAppsの定義に則り、EDTというトークンが発行されています。
発行枚数は15億と多く設定されていますが、そのうち8億枚はEtherDeltaの(毎月売上分のEDT)市場から焼却させ、最終的な流通量は7億になる見込みです。
また、EtherDelta内の取引手数料にもEDTを使用することができます。

EtherDeltaの他にも、イーサリアムベースの分散型取引所として0x、Wavesなどもあります。

イーサリアムでは、ゲーム関連のdAppsが多く開発されています。

中央管理者によって管理されるゲームは、管理者側で都合の良いように設定されていないとは言い切れないところがあります。

ブロックチェーン技術を使ったdAppsのゲームであれば、記録をすべて確認することができ、不正な設計は困難になります。

Aethia

「Aethia」(通称イーサゴッチ)というdAppsは、イーサリアム版たまごっちと呼ばれ、リリース前にも関わらず30万人の事前登録があるなど注目度の高いゲームです。

プロジェクト名 ジャンル トークン名 トークン発行上限
Aethia ゲーム CHI 100億CHI

Aethia(イーサゴッチ)は卵を孵化させて生き物を育てる、育成ゲームです。
イーサリアム(ETH)で卵を購入しますが、それ以外は基本的に無料で遊ぶことができるようです。

育てた生き物は売却することができ、売却すると独自のトークンであるCHIが付与され、育成のためのアイテムを購入する際にCHIが使えるなど、ゲームの中で使用することができます。

このゲームはブラウザがGoogle ChromeまたはFirefoxに対応しており、プレイを始めるにはイーサリアムのウォレット、「Metamask」を持っている必要があります。

予測市場は今後起こる未来の出来事を予測し、賭け事を行うことです。

こちらもブロックチェーン技術と相性が良く、中央管理者がいないことで不正や改ざんが難しいため、透明性の高い市場を作ることができます。

Auger(オーガー)

Auger(オーガー)はイーサリアムを使った、未来予測(賭け事)のためのプラットフォームです。

プロジェクト名 ジャンル トークン名 トークン発行上限
Auger 予測市場 Reputation(REP) 1100万REP

Augurは『占い師』という意味があり、胴元(運営元)がいない、非中央集権的な賭けを行うことができます。

例えば、「明日の試合で日本代表が勝てば1万円をAさんへ」という契約内容を組み込んでおくと、次の日に日本代表が勝利すれば、スマートコントラクトの機能によって、契約が自動で実行されます。

イーサリアムを活用したAugerは、運営が管理をする必要がなく、人件費を削減することが可能なので、賭け金の還元率が高くなるメリットがあります。

予測した答えが正しければREPというトークンをもらうことができ、取引所で売買することも可能です。

ストレージを提供するサービスとして思い浮かぶのはicloudやDropboxなどがありますが、いずれも中央管理者が提供するサービスです。

この分散型ストレージは、分散で管理するというブロックチェーン技術の特徴を活かし、ユーザー同士でストレージの空き容量の貸し借りができます。

中央管理者がいないことで従来より低い料金設定で提供でき、単一障害点がないため、サーバーダウンが実質起きません。

Siacoin(シアコイン)

Siacoin(シアコイン)はコンピューターのストレージの空き容量を、ブロックチェーンの技術を使って貸し借りができる仕組みを構築する仮想通貨で、2015年に誕生しました。

プロジェクト名 ジャンル トークン名 トークン発行上限
Siacoin 分散型ストレージ Siacoin(SC) なし

公式ホームページによると、料金は1TBのファイルをSiacoinに保存する場合、月額約2ドルで済み、既存のクラウドストレージサービスよりもおよそ90%安く利用することができるということです。

また、空いているストレージを提供することで、Siacoin内で発行しているSCというトークンが付与され、SCは取引所で売買することもできます。

ブロックチェーン技術によって、その作品の作成者や利用者はすべて記録として残り、それを誰でも確認することができます。
そして改ざんも困難なため、許可なく作品を使用した人をすぐに特定できてしまいます。

また、他の人の作品を使用する場合は、提供者にトークンを支払うといったことを、事前にプログラミングしとくことも可能であるため、著作権を保護できるということです。

steemit(スティーミット)

steemit(スティーミット)は管理者のいない、ソーシャルネットワークのプラットフォームです。

プロジェクト名 ジャンル トークン名 トークン発行上限
steemit 著作権保護 Steem(STEEM) なし

今までは記事や動画などを提供した場合、対価としては広告費を受け取るビジネスモデルが確立されつつありました。

しかし、steemit内で書いた記事などは、その内容に対して評価が得られた分だけSTEEMというトークンで対価を得ることができ、著作権を侵害しているものやスパムの記事などには評価を得難い仕組みになっています。

中央管理者のいるアプリケーションを使用する場合、アプリケーションごとに名前やメールアドレスを登録して使用しなければいけないことがあります。
そして、中央管理者が個人情報を管理することで管理費用がかかる上、費用をかけていても情報漏えいリスクは存在します。

一方で、分散型で記録を誰でも確認することができるブロックチェーン技術を利用することで、繰り返し個人情報を登録することなく利用できるサービスの実現を目指しています。

uPort(ユーポート)

uPortは、今までサービスごとに行なっていた個人情報の登録を、安全で簡単に行えるような仕組みの構築を目指すプロジェクトです。

uPortはブロックチェーン上で個人情報を安全に管理し、uPortを通じてサイトにアクセスすることで、めんどうな個人情報の登録を一括で完了させることを目標にしています。

また、そうすることで個人情報の管理も簡易的になり、情報漏えい等のリスクも回避しています。

ご紹介したジャンルには分類されませんが、「The DAO」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「The DAO」もイーサリアムベースのdAppsの一つで、自律分散型投資ファンドプロジェクトです。

The DAOはICO(独自トークンを発行して資金調達をすること)で計150億円程の資金を集め、クラウドファンディングの資金調達額として史上最高記録を更新しています。

しかしスマートコントラクトのプログラムにバグがあり、集めた資金のうち1/3以上が不正送金により盗まれるという事件が発生しました。

結果的にイーサリアムを分岐(ハードフォーク)させ、イーサリアム上の取引履歴を不正送金が起こる前までに戻してしまうという方法で解決させました。
ハードフォークで誕生した通貨が、不正送金が記録されているブロックチェーンを使用するイーサリアムクラシックです。

この事件はイーサリアムやブロックチェーンに脆弱性があったわけではなく、dAppsのプログラムのバグによるものでした。
スマートコントラクトによるプログラミングは、通貨を分岐させる可能性があるほど、重要なものであることがわかります。

dAppsをいくつかピックアップしてご紹介してきましたが、そんなdAppsを実行する上で、やはり課題となる点があります。

ユーザー数や、dAppsが増えることによるノード数の増加で、スケーラビリティ(処理能力)に関する以下の問題です。

  1. 手数料の高騰
  2. スマートコントラクトの実行速度

それぞれについて、詳しく確認していきましょう。

dAppsは日々開発が進み、現在も増えて続けています。
より私たちの生活に便利なアプリケーションが増えていくことが期待されますが、その一方で、手数料の高騰が問題になってきます。

dAppsの数やそれを利用するユーザーが増えると、必然的に取引量も増えていき、トランザクション(取引データ)の処理が遅延します。(スケーラビリティ問題)

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは現在、PoW(プルーフオブワーク)を採用しており、トランザクションの処理が遅延すると手数料も高くなります。(手数料が高く設定されているトランザクションから処理されていくため)

昨年12月に、イーサリアムベースのdAppsとして、「CryptoKitties」という猫の育成ゲームがリリースされました。
リリースと同時に利用者が急増し、12月から1月にかけてトランザクションが増え処理の遅延が発生しました。

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは現在PoWを採用していますが、今後PoS(プルーフオブステーク)へ移行することを予定しています。

PoSとは、コインの保有量が多いほど、ブロックの生成が有利に行えるように設定されているコンセンサスアルゴリズムです。

PoWでは1つのブロック生成するのに15秒ほどかかり、さらにそのブロックを承認するのに約10分の時間を要します。
PoSは、ブロックの生成時間は1〜3秒で、1秒あたり数千トランザクションの処理ができると見込まれています。

つまりPoSへ移行することで、現在のPoWよりも手数料の高騰を防ぐことができると考えられています。

ブロックチェーン技術を使ったスマートコントラクトの実行は、分散されたさまざまなノードで構成されています。

そのスマートコントラクトの実行速度はノードによって異なり、低スペックなノードがあると、ネットワーク全体の実行速度を下げてしまいます。

dAppsのプラットフォームであるイーサリアムでは、今後も多くのdAppsの開発が見込まれ、いずれこの問題が浮き彫りになる可能性が懸念されています。

そこでイーサリアムでは、実行速度の低下を防ぐためにすでに以下の解決策が提案されています。

  • Sharding(シャーディング)
    トランザクションをいくつかのシャード(Shard:破片)に分割し、それを複数のノードが集まるグループが、役割を分担しながら同時にトランザクションを処理すること。
  • Plasma(プラズマ)
    ブロックチェーンとは別に階層構造を持つプラズマブロックチェーンを用意して、プラズマブロックチェーンでトランザクションの処理をする仕組み。
  • Truebit
    ブロックチェーンとは別のサイドチェーンをつくり、そこで第三者がスマートコントラクトの処理をすること。

この提案はいずれも、スケーラビリティ問題の解決策です。

ただ、いずれも導入のハードルがあるため、一朝一夕にはいかないでしょう。

dAppsを利用する場合、特にゲーム関連などのdAppsによってはイーサリアムによる支払いが発生したり、ウォレットが必要になる場合があります。

イーサリアムは国内でも多くの取引所で取扱があります。
取引所については以下の記事を参照ください。

また、イーサリアムはモバイルウォレット、デスクトップウォレット、ウェブウォレット、ハードウェアウォレット、ペーパーウォレットに対応しています。

しかしdAppsによって対応するウォレットが異なりますので、指定されるウォレットを確認して開設されることをおすすめします。
イーサリアムのウォレットについては、以下の記事を参照ください。

dApps(分散型のアプリケーション)を開発するための、プラットフォームであるイーサリアム。

中央管理者が不要で、すべての記録が確認できて不正や改ざんが難しいブロックチェーン技術の特徴を活かし、現在1,000個以上のdAppsの開発が進められています。

一方で、ユーザー数やノード数の増加により、スケーラビリティ(処理能力)の課題もあげられていますが、コンセンサスアルゴリズムをPoSへ移行させるなど、トランザクションの処理をよりスピーディーにする方法がいくつか提案されています。

今後もイーサリアムでは、より便利で低コストなアプリケーションの開発が期待されます。