目次

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  1. トヨタ(TRI)がイーサリアム企業連合(EEA)に参画
  2. 【結論】イーサリアムとトヨタの関係性
  3. 【EEAとは】トヨタが参画したイーサリアム企業連合の概要
  4. トヨタが描くイーサリアムを活用した自動車の未来とは?
  5. 【まとめ】イーサリアムとトヨタの関係性
Large ethereum

2017年5月、日本で自動車シェア最大規模を誇る、トヨタ自動車の子会社『TRI(Toyota Research Institute)』が、イーサリアム企業連合(以下、「EEA:Enterprise Ethereum Alliance」)詳細は後述に参加したことが話題となりました。

この記事にたどり着いた方は、

「世界でも有数の、自動車メーカーのトヨタがEEAに参加した理由とは」
「なぜ、トヨタがイーサリアムに注目しているのか」
「トヨタは、イーサリアムを活用して今後何をしていくのか」

など、様々な疑問をお持ちの方が、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。

そこで、この記事では

  1. トヨタがイーサリアム企業連合(EEA)に参画した経緯
  2. イーサリアム企業連合とは何か?
  3. トヨタはイーサリアムをどのように活用するのか
  4. トヨタのブロックチェーン活用のその他の取り組み

について、ご紹介します。

※そもそもイーサリアムとは何か知りたい方は、「イーサリアムとは」の関連記事をご覧ください。

EEAの公式資料によると、TRIのCFO(最高財務責任者)クリス氏は以下の発言をしたそうです。

TRIでは、EEAとEEAに参画しているメンバーが、同技術(おそらくブロックチェーンのことを指す)の採用と、トヨタの顧客への潜在的利益を促進するための共通基準とツールを開発促進することをサポートしています。

enterprise-ethereum-alliance-release-05-19-2017.pdf

※原文は、英語表記でしたが、Google翻訳にかけたものを修正した文章を公開しています。翻訳に誤りがあったら随時修正します。

また、TRIの公式リリースによると、TRIはブロックチェーン技術を以下の3つの分野で活用しようとしています。

※TRIの公式リリースでは、ブロックチェーンを活用することは明らかにしていますが、イーサリアムのブロックチェーンを活用するとは明記していません。Moblockの推測なので、ご注意ください。

  1. 自動運転車両開発
  2. カーシェアリング
  3. 自動車保険

※ブロックチェーンをどのように活用していくかは、トヨタが描くイーサリアムを活用した自動車の未来とは?の段落でご紹介します。

これらの公式発表や、TRIがトヨタ自動車の研究機関であることを考慮すると、トヨタがEEAに参画したのは、イーサリアムを先にあげた3つの分野で活用する上で、イーサリアムの研究結果などの情報を蓄積しやすくするためで、イーサリアムに注目している理由は、イーサリアムのブロックチェーンに実装されているスマートコントラクト(※)という、契約を自動で実行させる仕組みを活用するためと考えられます。

(※)スマートコントラクト(Smart Contract)とは、(取引の)契約を人の手を介さず、自動で実行させる仕組みのことです。

スマートコントラクトを活用すれば、『車の代金を事前に支払えば、車の所有権と車の鍵が自動で開錠される」という契約を、既存の販売業者やレンタカー屋を介さずに、車の買い手と売り手の個人間で、自動で実行させることができるのです。

※車の鍵は、遠隔操作などで開くものと仮定

ここまでで、イーサリアムとトヨタの関係性の全体像をご紹介してきましたが、次の段落では「EEAの概要」や「トヨタがイーサリアムをどのように活用していくか」など、より詳細な情報をわかりやすく解説していきます。

EEAとは、Enterprise Ethereum Alliance (訳:イーサリアム企業連合)のことで、イーサリアムの技術の情報やユースケースの共有、イーサリアムを企業が活用する上で最適な形に改良したプラットフォーム、EE(Enterprise Ethereum)の開発や、企業がイーサリアムを活用する際の、業界標準を設定することと考えられます。

さまざまな規格のうち,多くの人が実際に使うことによって,結果的に標準規格として通用するようになること。また,その規格。業界標準。

デファクト-スタンダードとは - 時事用語 Weblio辞書

以下の画像は、EEAの公式HP:MEMBERSの画像を一部、切り取って引用したものです。

この画像から、トヨタ以外にも、EEAにはマイクロソフトやマスターカードなどの世界的大企業や、KDDIやMUFGなどの日本の大手企業が参加していることがわかりますね。

トヨタは、EEAに参画する約300社の企業の、イーサリアムを活用した実験結果を参考にしたり、共同実験をすることで、(先に挙げた3つの分野に)ブロックチェーン技術を導入するスピードを促進することを図っているのではないでしょうか。

EEAについて、詳細を知りたいという方は、「Enterprise Ethereum Allianceとは?」の関連記事をご覧ください。

トヨタ(TRI)が、EEAに参画したのは、イーサリアムやブロックチェーン技術の知識を蓄積するためとご紹介しました。

では、トヨタはブロックチェーンの技術を、どのように活用していくのでしょうか。

次の段落で、それらを紐解いていきたいと思います。

TRIの公式リリースの発表から推測すると、以下の3つの分野で、イーサリアムのブロックチェーンを活用していくと考えられます。

  1. 自動運転車
  2. ライドシェアとカーシェアリング
  3. 車両保険

カーシェアリング(英: carsharing)とは、一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのこと。自動車を借りるという面ではレンタカーと近い存在であるが、一般にレンタカーよりもごく短時間の利用を想定しており、利用者にとってはレンタカーよりも便利で安価になるように設定されていることが多い。

カーシェアとは - Weblio辞書

ライドシェアとは、乗用車の相乗りの需要をマッチングさせるソーシャルサービスの総称である。

ライドシェアとは - IT用語辞典 Weblio辞書

では、それぞれの分野でのブロックチェーンの活用方法を、解説していきます。

TRIの公式リリースで、CFOのクリス氏は以下の発言をしています。

安全で信頼性の高い、自律車両を開発するためには、何十億マイルもの走行データが必要になるかもしれません。

TRI | News

※原文は、英語表記でしたが、Google翻訳にかけたものを修正した文章を公開しています。翻訳に誤りがあったら随時修正します。

ブロックチェーンには、改ざん耐性があり、情報を安全に管理できるという特徴があります。

推測ですが、走行データは、トヨタの車に搭載されている専用のセンサーで収集し、データはサーバーで管理していると考えられます。

この管理方法では、サーバーがハッキングされた場合、データの改ざんが起き、自動運転車が間違った道に行ってしまったり、最悪の場合は事故を引き起こすなどのリスクがあります。

そこで、トヨタは改ざん耐性のあるブロックチェーンを活用することで、運行データを安全に管理し、安全で信頼性の高い自動運転車(※)を開発しようとしているのではないでしょうか。

ブロックチェーンには、改ざん耐性があり、情報を安全に管理できるという特徴があるのしたね。

トヨタは、この特徴をライドシェアとカーシェアで活用していくと考えられます。

具体的にいうと、車を借りる側の走行履歴(事故を起こしたことがないかなど)や、鍵の遠隔ロックや開錠、エンジン始動/停止などに必要な重要な電子データを、ブロックチェーンを活用して安全に管理していくということです。

また、カーシェアでは、イーサリアムのスマートコントラクトも活用すると考えられます。

スマートコントラクトとは、契約を自動で実行させる仕組みのことでしたね。

スマートコントラクトを活用すれば、『車の代金を事前に支払えば、車の所有権と車の鍵が自動で開錠される」という契約を、既存の販売業者やレンタカー屋を介さずに、車の買い手(貸して)と売り手(借りて)の間で、自動車の貸し借り、決済を自動で実行させることができるのです。

これにより、仲介業者に支払っていたコストが削減されることが予想されます。

トヨタは、ブロックチェーンを活用することで、保険料の削減、つまり顧客のコスト削減と、適切な走行距離に基づいた保険料の設定の実現を目指しています。

車両に搭載したセンサーが、走行データを収集し安全に管理し、ユーザーが運転データにアクセスすることを可能にすることで、保険会社の透明性を高め、保険会社のデータの改ざん防止を図ることで、保険料の削減が期待できるそうです。

また、推測ですが、ブロックチェーンとスマートコントラクトを活用することで、データを安全に管理するのに必要だったコストの削減や、一部のプロセスを自動化することによる人件費の削減が期待でき、その分、保険会社が徴収する保険料が減るのではないでしょうか。

ここまで、イーサリアムとトヨタの関係性に関して、EEAに参画した経緯やEEAの概要、トヨタがブロックチェーンを活用して、何を検討しているのかを解説しましたが、まとめると以下の通りです。

  1. EEAに参画したのは、研究結果などの情報を蓄積するため
  2. イーサリアム(ブロックチェーン)は以下の3つの分野で活用が期待されている
    ⑴ 自動運転車両の開発
    ⑵ ライドシェア・カーシェア
    ⑶ 自動車保険

トヨタが、どのようにブロックチェーンを活用していくのか、今後の動向や発表も注目していきたいと思います。