目次

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  1. 序文
  2. ブロックチェーンの特徴
  3. 【概要と課題】IoT(Internet of Things)とは
  4. 【GMO】ブロックチェーン×IoTの応用事例①
  5. 【Nayuta】ブロックチェーン×IoTの応用事例②
  6. 【IOTA(アイオータ)】ブロックチェーン×IoTの応用事例③
  7. 【まとめ】ブロックチェーン×IoT
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ビットコインやイーサリアムなど、仮想通貨の中核技術として使用されているブロックチェーン。

そんな、ブロックチェーンですが、IoT分野における応用が進んでいます。

この記事にたどり着いた方は、

「ブロックチェーンはIoT分野の課題をどのように解決するのか」
「ブロックチェーンが、IoT分野でどう活用されているのか知りたい」

など、さまざまな疑問をお持ちの方がいらっしゃると思います。

そこで、ブロックチェーンの特徴と、IoTの課題をまず理解した上で、IoT分野での、具体的なブロックチェーンの応用事例についてご説明します。

それでは、ブロックチェーンの特徴を確認していきましょう。

ブロックチェーンには、以下の特徴があります。

  1. 改ざんが極めて困難
    →ブロックチェーンではトランザクション(取引)履歴は順番にブ ロックに格納され、各ブロックが直前のブロックとつながっており、過去の履歴を後から改ざんしようとするには膨大な計算が必要となるため、改ざんは極めて困難です。
  2. 実質ゼロ・ダウンタイム(※)
    →ブロックチェーンでは、参加者がデータを分散管理しているため、システムの単一障害がなく、実質ゼロ・ダウンタイムといわれています。
  3. 安価
    →従来のシステムと比較して安価にシステムの構築が可能です。また従来かかっていた管理費などのコストも削減することができます。
  4. トレーサビリティ(追跡が可能)
    →ブロックチェーンは、基本的にデータが公開されているので、トレースが可能です。この特徴により、取引の整合性の確認などが可能となっています。

ダウンタイムとは?
障害やメンテナンスによって、システムやサービスが停止している時間のことをいいます。

単一障害点
単一障害点とは『心臓』のようなもので、故障やその他のトラブルによってシステム全体が停止してしまうようなポイント(点)のことを指します。


参照元:経済産業省:ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸 ver. 1.0


次に、IoTについて概要と課題を見ていきましょう。

IoTとは、モノにセンサーなどの電子デバイスを組み込むことで、インターネットと接続し、利用者が遠隔地から操作したり、直接通信して動かしたりできる仕組みのことを指します。

IoTの話が出てきた際には、モノとセンサーとインターネットが組み合わさることであると思い出して頂ければ分かりやすいでしょう。

センサーが入っていないモノはインターネットとつなげることができませんので、この3つがIoTにとって必須項目であるといえます。

IoTの具体例

ブルドーザーなどの重機を製造している日本の大手メーカーは、製品にセンサーを内蔵して、世界中どの地域でどのように稼働しているかを確認できるようにしています。

これなどはIoTの分かりやすい例で、従来は重機が盗難された際、発見がしやすいようにセンサーが組み込まれましたが、最近は世界のどの国、どの地域でブルドーザーなどが活発に動いているかを確認する目的で使われています。

ブルドーザーなどの稼働率が高い国は経済状況が良い可能性が高く、この重機メーカーは製品が活発に動いている地域の経済が拡大すると予想し、経営資源を投入する際の判断材料にするため、IoTを活用しています。

概要を確認したところで、IoTの課題を確認していきましょう。

製造ラインや医療分野など多くの分野ですでに導入されているIoTですが、IoTの利用者の目線に立つと、以下のような課題があるようです。

IoTの課題

  1. データ処理 →デバイスが増加することで、処理すべきデータの量も増え、データが処理できなくなり、利便性が損なわれるリスクがあります。
  2. セキュリティ確保
    →人的ミスや、システムに負荷がかかることによるシステムダウン、管理しているデータの改ざんなどのハッキングリスクがあり、セキュリティ、及び、システムに対する信頼が確保できない可能性があります。
  3. プライバシー保護
    →さまざまなデータが蓄積されることで、プライバシーの侵害に対する懸念が高まっているようです。

次に、これらの課題からみるブロックチェーン応用の可能性についてご紹介します。

ブロックチェーンの特徴と、IoTの課題から考えると、ブロックチェーンの導入は、セキュリティの確保と、システムダウンを解決する方法として適していると考えられます。

ブロックチェーンには、改ざん耐性やトレーサビリティがあることや、単一障害点がないことがその要因です。

また、日本総合研究所(JRI)のレポートによると、今後様々な、IoTプラットフォームは結びつき、他社との協業体制が求められることをあげています。

現在、IoTプラットフォームを提供している会社は、異なる方法でデータを管理しているため、協業体制を取る際に必要な、情報の共有が困難です。

同じブロックチェーンプラットフォームを活用すれば、情報の伝達が容易になることや、最近では異なる規格のブロックチェーン間で、情報のやりとりが可能になる技術が考案されてきています。

そのため、ブロックチェーンを活用すれば、高いセキュリティを確保した状態で、各社で情報を共有することができると考えられるのです。

ここまで、ブロックチェーン導入によりIoT分野の抱える課題点が解消される可能性について見てきました。

次の段落では、IoT向けのブロックチェーンプロジェクトと、既存の企業の活用事例をご紹介します。

2016年12月20日、『GMOインターネット株式会社』は、『GMOグローバルサイン株式会社』『株式会社セゾン情報システムズ』と3社合同で、ブロックチェーンとIoTを活用した宅配ボックスの実証実験を実施したことを発表しました。

実証実験が行われた理由は以下の通りです。

本人不在時の再配達や受け取りの手間の削減、誤配達防止を実現する宅配ボックスの開閉の制御システムを開発し、その実証実験を行いました。

GMOインターネットグループの2社と、セゾン情報システムズ、ブロックチェーンとIoTを活用した実証実験を実施 - GMOインターネット株式会社

IoTデバイスが埋め込まれた宅配ボックスに、配送業者が荷物を納入してから、利用者が荷物を受け取るまでの流れは以下の通りです。

  1. 荷物を納入
    →納入履歴はブロックチェーン上で管理されます。
  2. 納入記録と施錠要求をブロックチェーン上で実行
    ※ここまでが、配送業者が行うこと
  3. 受け取りをするために利用者はボックスの解錠を要求
  4. 解錠されたら、荷物を受け取る

これらを実行することで、配送品質の確保や再配達の手間を削減できるのではないかと考えられているようです。

GMOの公式発表では、今ご紹介した手順がわかりやすく図解されていたので、そちらもご紹介します。

本宅配ボックスは、2018年4月23日から池袋PARCO前に期間限定でテスト設置され、本格導入や他店舗への設置などを検討していく見込みだそうです。


参照元:GMOインターネットグループ:GMOインターネットグループの2社と、セゾン情報システムズブロックチェーンとIoTを活用した実証実験を実施
参照元:株式会社パルコ:「カエルパルコ」で注文した店頭の商品が 24 時間受け取り可能に


Nayutaは、ブロックチェーンを活用した、使用権をコントロールできる電源ソケットの開発を進めています。

この、電源ソケットで何ができるかは、Nayutaの公式リリースに記載があるので、確認してみましょう。

電源ソケットの持ち主は、“⚪年⚪月⚪日⚪時〜⚪年⚪月⚪日⚪時までの間に⚪時間使用できる”という使用権トークンをスマートフォンアプリに対してユーザーを指定して送付することができます。使用権を与えられたユーザーはスマートフォンと電源ソケット間のBLE通信によって電源ソケット導通スイッチを有効状態にすることができます。

また、使用電力の測定もハードウェア機能として含まれており、将来、使用した電力に応じた課金型電源ソケットへの変更も行えるように開発されています。

プレスリリース:ブロックチェーン技術を応用した使用権をコントロールできる 電源ソケットのプロトタイプを開発

つまり、Nayutaの電源ソケットを活用すれば、使用権をコントロールでき、第三者による不正利用(盗電など)がなくなるということです。

IOTAはDavid Sønstebø氏によって創設され、2015年11月から12月の間にICO(仮想通貨による資金調達)が行われた、今話題の仮想通貨です。

IoT時代のデータ通信取引を記録するのに適した仮想通貨としても注目が集まっており、富士通やボッシュなどの大企業と連携して、IoTへのブロックチェーン技術の活用を推進していく存在になることが期待されています。

「IOTA財団ブログ 2017年11月28日(英文)」

※IoTAが活用しているのは、ブロックチェーンではなくDAGという技術です。
IoT向けの仮想通貨として、有名なため紹介させていただきました。

以上、IoT分野におけるブロックチェーン導入の可能性と、応用事例についてご紹介してきました。

ブロックチェーンがIoT分野における既存の課題を、解消する可能性を秘めていることは、おわかりいただけたのではないでしょうか。

ブロックチェーンは、IoTでの活用で注目がされていますが、他にも文書管理や金融、保険など、幅広い分野・業界での活用が検討されています。

仮想通貨の中核技術であったブロックチェーンが、今後どのような分野で活用がされていくのか注目して久野は、良いかもしれません。