目次

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  1. ICOについて調べていると目にするERC20トークン
  2. 【概要】ERC20とERC20トークンとは
  3. 【大見出し】ERC20成立の背景と活用するメリット
  4. ERC20が抱える課題とは
  5. 【5選一覧】代表的なERC20トークンとは
  6. ERC20トークンを管理するのに適した代表的なウォレット
  7. ERC20トークンの最近のニュース・トピック
  8. 【まとめ】ERC20とERCトークンとは
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仮想通貨を活用した資金調達方法として知られる、Initial Coin Offering(以下「ICO」)が頻繁に行われていますが、その際「ERC20」や「ERC20トークン」という単語がよく出てきます。

この記事にたどり着いた方は、

「ERC20とは?」
「ERC20とERC20トークンの違いとは」
「具体的なERC20トークンとは」

など、様々な疑問をかかえているのではないでしょうか。

そこで、ERC20とERC20トークンの概要を、両者の違いを踏まえて解説し、それぞれの詳細を深ぼっていきたいと思います。

まずは、それぞれの概要を理解していきましょう。

ERC20とは、Ethereum Request for Comments: Token Standard #20(イーサリアムのトークンに関する提案の20番目のコメント)の略称で、イーサリアムでトークンを発行するための規格のことです。

ERC20がイーサリアムのコミュニティで採用される以前は、規格が標準化されておらず、各トークンが独自のプログラミング言語やアルゴリズムを活用していたため、以下の課題がありました。

  1. トークンを一括管理できない
  2. 送金方法や受信方法が異なる

だが、ERC20によってトークン作成の規格が標準化されたことで、これらの課題が解決しました。詳細は後述

そして、ERC20の規格に基づき発行される、イーサリアムベースのトークンの総称が、ERC20トークンです。

※ERC20は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)と違い、一つの仮想通貨(トークン)の名称を指すのではなく、ERC20に基づき作成されたトークンの総称なので、ご注意ください。

つまり、ERC20トークンとは規格、ERC20トークンとは、トークンのことを指します。

ここまでで、ERC20とERC20トークンの概要を、それぞれの違いを踏まえて開設してきましたが、次の段落では、ERC20誕生の背景や活用するメリット、ERC20が抱える課題や、具体的なERC20トークンなど、より詳細な内容をご紹介します。

イーサリアム、スマートコントラクトという、契約の執行を自動化させる仕組みを持つことから、ビットコインよりICOに活用される傾向にあります。(※)

ただ、ICOのプロジェクトで発行されたトークンは、様々な仕様で開発されており、管理方法や送受信方法がバラバラで使い勝手が悪いものでした。

そこで、トークンを発行する規格を統一することで、利便性の向上を図ったのです。

ERC20を活用するメリット

  1. トークンの一括管理が可能
    異なるプロトコルを活用している仮想通貨(例えば、ビットコインとイーサリアム)では、それぞれのプロトコルに合わせたウォレットを開発する必要があります。ERC20のプロトコルを活用することで、ERC20に対応したウォレットで、取引所やユーザーは一括管理ができるようになりました。
  2. 送受金方法が簡易化
    送受金方法が異なると、入金や出金などの送金の際に、いちいち送金方法を変更する必要がありましたが、企画を統一することで、送金が簡単になりました。
  3. トークン発行の簡易化
    ERC20に基づき、トークンを発行する際には、そう供給量や送金方法の設定などの規格が設定されており、規格に沿って発行すれば良いので、発行容易に行えるようになりました。

(※)

ビットコインのプラットフォーム上で、スマートコントラクトの実行可能にする、Rootstockというプラットフォームが開発され、ビットコインに活用される予定です。

Rootstockについて詳しく知りたいという方は、

Rootstock公式HP(英語)
Rootstock公式:RootstockのWhitepaper(英語)

をご覧ください。

ERC20を基に開発された、ERC20トークンには、「誤送金によるERCトークンの消失リスク」という課題があります。

イーサリアムには、ユーザーが送受金の際に活用する通常のアドレス以外に、スマートコントラクトを実行するためのコントラクトアドレスというものがあるのですが、誤ってコントラクトアドレスにトークンを送金してしまうと、ERC20トークンが消失して(使えなくなって)しまうのです。

イーサリアムの公式Github(ソースコードを公開するサイト)によれば、以下の5つのERC20トークン(一部抜粋)で、計3.2億円のERC20トークンが、誤送金によって消失(使えなくなった)したようです。

  1. QTUM:約1.4億円
  2. EOS:約1.1億円
  3. GNT:約2800万円
  4. STORJ:約2400万円
  5. OMG:約1650万円

そして、この誤送金によるERCトークンの消失リスクを解決するために、ERC223という規格が提案されました。

ERC223の仕様は、ERC20とそこまで変わらないのですが、tokenFallbackという仕様を追加することで、万一、誤った送金をした場合でも、トークンが送り返されるようになりました。

ERC20トークンは、Etherscanで確認できるだけでも、約500種類存在します。※2018年5月21日時点

この記事で、全てのERC20トークンについて説明はしませんが、時価総額が高く、知名度が高い以下の5つのERCトークンについて概要をご紹介します。

  1. Augur
  2. Binance Coin
  3. OmiseGo
  4. TRON
  5. 0x

では、それぞれの仮想通貨の概要を簡単に確認していきましょう。

Augur(オーガー)とは、イーサリアム上に構築された未来予測(賭け事など)のためのプラットフォームで、プラットフォームで活用されるERC20トークンがREPです。

Augurは、スマートコントラクトを活用することで、胴元(運営元)が存在しない、非中央集権的な未来予測のためのプラットフォームを提供しています。

※例えば、『明日の試合で、日本代表が試合に勝てば1万円をAさんに送金、負ければBさんに送金』という契約があるとします。
※引き分けはないと仮定

この時、契約は「1万円をAさん or Bさんに送金」で、執行条件は、「日本代表が試合に勝つ」or 「」日本代表が試合に負ける」になります。

スマートコントラクトを活用すれば、この取引を、プログラミングで記載し、次の日の試合の結果に応じて取引を、運営者を介さずに自動で実行することができるため、胴元の存在しない賭け事が成立するのです。

Augurには、胴元が存在しないため、胴元のレートの操作や賭け金の横領などの不正の心配がありません。

Binance Coin(以下「BNB」)は、世界最大級の仮想通貨取引所、Binance(バイナンス)で発行されているERC20トークンで、Binanceで以下の活用がされています。

BNBの用途

  1. 取引手数料をBNBで支払うことができる
  2. 上場させる通貨の人気投票で使用可能
  3. Binanceで実施される、ICOのトークンをBNBで購入することができる

OmiseGoとは、東南アジアで決済サービスを提供する企業Omiseが開発した、送金や決済のためのブロックチェーンプラットフォームで、プラットフォームで活用されるERC20トークンがOMGです。

OmiseGoには、SBIやSMBCなどの日本企業とパートナーシップを提携していることや、イーサリアム開発者のVitalik Buterin氏がアドバイザーとして関わっていることなどから注目を集めています。

TRONは、世界的な無料のコンテンツエンターテインメントシステムの構築を目指しやプラットフォームで、プラットフォーム内で活用されるERC20トークンが、TRXです。

現状、アプリケーションを配信して多くのユーザーに使用してもらうためには、コンテンツ作成者は、Google PlayやApple Storeなどの中央集権的プラットフォームを利用する必要があります。

その問題点として

  • プラットフォーム運営者による利用料の徴収
  • コンテンツの質よりも、むしろ広告への貢献度や親和性によって評価される

などが挙げられています。

TRONはデジタルコンテンツ作成者と利用者を直接つなぎ合わせることができ、コンテンツ作成者はプラットフォーム利用料を支払う必要がなくなります。

また、広告がどれだけ視聴されたか、クリックされたかではなく、提供したコンテンツの評価に応じて、報酬が得られる仕組みを採用するようです。

0xとは、DEXを作成するためのプロトコル(基盤となる技術)で、0xで活用されるERC20トークンがZRXです。

DEX(Decentralized Exchange)とは、中央管理者が存在せず、ブロックチェーンネットワーク上で仮想通貨やトークンのやり取りをする仕組みのことで、分散型取引所とも呼ばれています。

ちなみに、bitFlyerやCoincheckはCEX(Centralized Exchanges、中央集権型取引所)です。

0xを活用して、DEXを構築すれば、従来のDEXより、速く安く取引を実現することが可能で、中央管理者が存在しないので、取引所のハッキングや倒産による資産の流出リスクが軽減できます。

ERC20トークン全てに対応したウォレットで、人気のあるウォレットは以下の2つです。

  1. MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
  2. Metamask(メタマスク)

国内では、Mt.Gox(マウントゴックス)社の倒産や、Coincheck(コインチェック)から約580億円相当のネム(XEM)が不正アクセスによって紛失した事件をきっかけに、仮想通貨(トークン)を取引所ではなく、自分のウォレットで安全に管理しようという方が増加しているのではないでしょうか。

取引所は仮想通貨を多く管理していることから、ハッカーに狙われやすく、ハッキングや倒産による資産の流出(紛失)リスクがあります。

取引所で購入したERC20トークンは、取引所に預けたままにせず、自分のウォレットで安全に管理するのがおすすめです。

2018年4月下旬に、一部のERC20トークンで、コスト無しでトークンを無限に生成できるバグが見つかりました。

※イーサリアムのバグでも、全てのERC20トークンのバグでもなく、一部のERC20トークンのバグなのでご注意ください。

このバグは、Batch Transferという関数が原因で起きたもので、BatchTransferの機能を活用していた、一部のERC20トークンで発生したようです。

このバグを受け、多くの取引所では、ERC20トークンの預け入れを停止させました。

ここまで、ERC20とERC20トークンについて確認してきましたが、まとめると以下の通りです。

  • ERC20:イーサリアムのトークンを発行する際の規格
  • ERC20トークン:ERC20に基づき開発されるトークンの総称
  • ERC223:ERC20の欠点を補った、トークン規格
  • 一部のERC20トークンでバグが見つかる

現在、ERC20の規格は、ICOだけではなく、BNBなど、取引所が独自トークンを発行する際に使用されていますが、欠点があるため、ERC223が提案され採用されました。

最近では、イーサリアム上にクリプトキティー(猫育成ゲーム)などの、ゲームが注目を集めているのですが、そこのアイテムはERC721という新しい企画を活用しています。