目次

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  1. リップル(Ripple/XRP)の歴史
  2. リップル(Ripple Inc.)の歴史を年表で振り返る
  3. リップル(Ripple/XRP)の2004年〜2012年8月の歴史:Ripplepayの考案者「Ryan Fugger」の時代
  4. リップル(Ripple/XRP)の2012年9月〜2016年12月の歴史:CEO「Chris Larsen」の時代
  5. リップルの2017年1月〜現在の歴史:CEO「Brad Garlinghouse」の時代
  6. 【まとめ】リップル(Ripple/XRP)の歴史
Large ripple logo mark

リップルは、時価総額3位の仮想通貨です。

リップルはこれまで、国際送金サービスを中心とした事業を展開してきており、世界中の100を超えるパートナーと提携しています。

この記事にたどり着いた方のなかには、

「リップルは過去にどのような事業を行なってきたのか?」
「リップルでは過去どんな出来事があったのか?」

という点が気になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。

「リップルの歴史」と「支払いシステムの起源」を知ることで、リップルの概要をより深く理解できるようになるかもしれません。

この記事では、リップルの年表を参考に、リップルの歴史と過去の重要な出来事について、わかりやすくご紹介していきます。

リップルの歴史は、現在リップルで活用されているシステムの基盤となった、支払いシステムの立ち上げからはじまります。

リップルの歴史を大きな流れで追うと、次のようなものになります。

  • リップル支払いシステムの起源の誕生
  • ブロックチェーン技術の応用
  • リップルプロジェクトの会社設立(OpenCoin / Ripple Lab,Inc / Ripple Inc.)
  • 製品ラインナップの拡充
  • パートナーの開拓と多業種展開

リップルの支払いシステムの起源は、Ryan Fugger(ルアン・ファッガー)によって考案されたRipplePay(リップルペイ)という支払いシステムです。

その後、時代とともにビットコインやブロックチェーン技術が登場し、これらをより優れた支払いシステムに改良する方法が検討されます。

ビットコインの知見を持つ「Jed McCaleb(ジェド・マカレブ)」、そして長年オンラインローンシステムに携わってきた「Chris Larsen(クリス・ラーセン)」らにより、リップルプロジェクトに最新の技術が応用され始めたのです。

その後、現在の「Ripple Inc.」の前身である会社、「OpenCoin Inc.」がChris氏らにより設立され、ブロックチェーン技術を応用した台帳(Interledger)やリップル製品( xCurrent / xRapid / xVia)が開発されてきました。※詳しくは後述します。

現在、CEOには「Brad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)」が就任し、リップルのパートナーシップの強化と、多業種展開を行なっています。

リップルという会社は、設立当初は「OpenCoin Inc.」という名前でした。その後、「Ripple Lab, Inc.」への社名変更を経て、現在の社名「Ripple Inc.」となっています。ここではリップルの過去と現在の社名(OpenCoin Inc. / Ripple Lab, Inc. / Ripple Inc.)をまとめて「リップル社」と表現します。

この章では、リップルの歴史を年表で振り返ります。

見やすさのため、年表はプロジェクトを率いる人物と社長別の3つに分けてご紹介します。

  1. Ripplepayの考案者「Ryan Fugger」の時代(2004年〜2012年8月)
  2. CEO「Chris Larsen」の時代(2012年9月〜2016年12月)
  3. CEO「Brad Garlinghouse」の時代(2017年1月〜現在)

Ripplepayの考案者「Ryan Fugger」の時代(2004年〜2012年8月)

  • 2004年:RipplePay(ripple payment protocol)がRyan Fuggerによって考案される (※1)
  • 2004年:Ryan Fuggerが分散型支払いプロトコルに関する論文『Money as IOUs in Social Trust Networks & A Proposal for a Decentralized Currency Network Protocol』を発表(※2)
  • 2005年:Ripplepay.comが始動(※3)
  • 2011年3月:Jed McCalebがリップルの支払いシステムのベースとなる「コンセンサス・アルゴリズム」を考案(※3)
  • 2012年8月:Chris Larsen、Jed McCalebがRippleプロジェクトに参画(※4)
  • 2012年8月:Ryan FuggerがRippleプロジェクトの指揮権をChris Larsenに譲渡(※3)

CEO「Chris Larsen」の時代(2012年9月〜2016年12月)

  • 2012年9月:Chris Larsenらが「OpenCoin, Inc.」を設立(※3)
  • 2012年9月:Ripple Transaction Protocol (RTXP)の開発を開始(※3)
  • 2013年9月:「OpenCoin, Inc.」から「Ripple Labs, Inc.」に社名変更 (※5)
  • 2013年11月:Ripple Labs, Inc.がThe World Community GridでXRPの配布を開始 (〜2014年4月まで)(※6)
  • 2014年2月:Ripple Labs, Inc.がMIT Technology Reviewの「50 Smartest Companies」に選出される(※7)
  • 2014年6月:Ripple Labs, Inc.が電子支払い機構「NACHA」に加盟(※8)
  • 2014年6月:南アメリカの送金業者「Astropay」がRippleの採用を表明(※9)
  • 2014年8月:リップルの開発者David Schwartzらがリップルの支払いシステムのプロトコルである「The Ripple Protocol Consensus Algorithm」を発表(※10)
  • 2014年9月:アメリカの銀行「Cross River Bank」がリップルの採用を表明(※11)
  • 2015年1月:ホワイトハウス前経済顧問であるGene Sperlingが、Ripple Labs, Inc.の取締役に就任(※12)
  • 2015年2月:World Wide Web Consortium (以下:「W3C」)の「Web Payment Interest Group」に参加 (※13)
  • 2015年2月:Fast Companyの「The World’s Top 10 Most Innovative Companies Of 2015 In Money」に選出される(※14)
  • 2015年3月:IPFA(International Payments Framework Association)に加盟(※15)
  • 2015年6月:Westpac Banking Corporationなど複数の銀行がRippleの実証実験を開始 (※16)
  • 2015年8月:世界経済フォーラムで「Technology Pioneers Award」を受賞 (※17)
  • 2015年10月:「Ripple Labs, Inc.」から「Ripple, Inc.」に社名変更(※18)
  • 2015年10月:「Interledger Protocol(ILP)」を発表(※19)
  • 2015年10月:W3Cが「Interledger Payments Community Group」を発足(※20)
  • 2015年10月:W3Cが「Web Payments Working Group」を発足(※21)
  • 2015年12月:Forbsの「The Fintech 50」に選出される(※22)
  • 2015年12月:H2 VenturesとKPMGの「Fintech 100」に選出される(※23)
  • 2016年2月:「BAFT(Bankers Association for Finance and Trade)」に加盟(※24)
  • 2016年3月:Innovation Project 2016で「Best B2B Innovation Award」を受賞(※25)
  • 2016年5月:Ripple, Inc.とSBIホールディングスが合弁会社「SBI Ripple Asia」を設立(※26)
  • 2016年5月:Santander銀行が、RippleとApplepayを接続したモバイル決済アプリのローンチを発表(※27)
  • 2016年6月:Santander、UniCredit、ReiseBankなど多くの金融機関がRippleNetに参加(※28)
  • 2016年9月:Standard Chartered、みずほフィナンシャルグループをはじめ、多くの金融機関がRippleNetに参加を表明(※29)
  • 2016年10月:SBIホールディングス、SBI Ripple Asiaがブロックチェーン技術等を活用する「内外為替一元化コンソーシアム」を発足(※30)
  • 2016年11月:シンガポール中央銀行が主導するプロジェクトで R3、シンガポール証券取引所、バンクオブアメリカ・メリルリンチ、三菱東京UFJ銀行など多くの銀行がリップルを利用した実証実験を開始(※32)
  • 2016年11月:Forbsの「The Forbes Fintech 50 For 2016」に選出される(※31)

CEO「Brad Garlinghouse」の時代(2017年1月〜現在)

  • 2017年1月:「Brad Garlinghouse 」が Ripple, Inc. の最高経営責任者(CEO)に就任。元CEOのChris Larsen は Ripple, Inc. の取締役会長に就任 (※18)
  • 2017年1月:仮想通貨取引所「Bitstamp」でXRPの取り扱いが開始(※33)
  • 2017年2月:「SBI Ripple Asia」と「SECOMグループ」が共同でリップルのでリップルのバリデータノード(取引の承認作業を行う特殊なネットワーク参加者のこと)の運営を開始(※34)
  • 2017年3月:Ripple Consensus Ledgerインターレジャープロトコル(ILP)の接続が可能に(※35)
  • 2017年5月:Ripple Inc. が保有する550億XRPをロックアップすることを発表(※36)
  • 2017年5月:「Ripple Consensus Ledger(RCL)」 を 「XRP Ledger 」に改称(※37)
  • 2017年8月:「xCurrent」「xRapid」「xVia」を発表 (※39)
  • 2017年10月:RippleNetへの参加機関数が100を突破(※40)
  • 2017年10月:Financial Timesの「Future of Fintech Award」を受賞(※41)
  • 2017年11月:Business Insiderの「50 startups that will boom in 2018 」に選出される(※42)
  • 2017年12月:Ripple Inc. が保有する550億XRPのロックアップを実施(※43)
  • 2018年1月:大手国際送金業者MoneyGramが「xRapid」と「XRP」を利用した国際送金テストを開始(※44)
  • 2018年1月:送金プロバイダ「IDT Corporation」「MercuryFX」と、その他多く機関が「xRapid」の採用を公表(※45)
  • 2018年2月:サウジアラビア金融局が「xCurrent」の実証実験を開始(※46)
  • 2018年2月:新興市場(インド、ブラジル、中国など)の多くの金融機関がRippleNetに参加(※47)
  • 2018年3月:SBI Ripple Asiaが主導する内外為替一元化コンソーシアムが「Money Tap」を発表(※48)
  • 2018年4月:Santander銀行がRippleを利用した国際送金サービス「Santander One Pay FX」を開始(※49)
  • 2018年5月:xRapidとXRPを利用した実証実験が成功し、送金コストが40〜70%削減(※50)
  • 2018年5月:XRPを活用した新興企業にRipple Inc.が投資を行う「Xpring」というサービスを開始(※51)
  • 2018年5月:Rippleの関連会社としてマイクロペイメント事業を行う「Coil」を設立(※52)
  • 2018年6月:リップルのコアサーバ「rippled」バージョン1.0.0をリリース(※53)
  • 2018年6月:大学のブロックチェーン研究機関(UBRI)と提携し、17の大学においてブロックチェーンの研究を推進(※54)
  • 2018年6月:SBIバーチャル・カレンシーズが、仮想通貨取引所「VCTRADE」開設し、XRPの取り扱い開始を発表(※55)

リップルの歴史を年表で確認してきましたが、これをざっと見ただけでは、リップルの歴史の詳細までは理解しづらいかと思います。

そこで、次の章からは、これら3つの年表の中の主要なイベントについて一緒に確認していきましょう。


[参考元] (※1)Introducing Ripple(BITCOIN MAGAZINE)
(※2)Money as IOUs in Social Trust Networks & A Proposal for a Decentralized Currency Network Protocol
(※3)Disruptor Chris Larsen Returns with a Bitcoin-Like Payments System(Paymentsource*有料コンテンツ)
(※4)OpenCoin raises seed round so ‘anyone in the world can trade any amount of money in any currency’(VentureBeat)
(※5)Company Overview of Ripple Labs, Inc.(Bloomberg)
(※6)OFFICIAL We're moving the giveaway out of beta(Ripple Forum)
(※7)50 smartest company 2014(MIT Technology Review)
(※8)Ripple Labs Joins NACHA Alliance(Ripple Insight)
(※9)Ripple Ecosystem Expands to 7 Countries in Latin America(Ripple Insight)
(※10)The Ripple Protocol Consensus Algorithm
(※11)Ripple Signs First Two U.S. Banks to Bitcoin-Inspired Payments Network(The Wall Streal Journal*有料コンテツ)
(※12)Former Chief White House Advisor Gene Sperling Joins Ripple Labs Board of Directors(Ripple Insight)
(※13)Ripple Labs Joins W3C Web Payment Interest Group to Help Set Standards for the Value Web(Ripple Insight)
(※14)The World’s Top 10 Most Innovative Companies Of 2015 In Money(Fast Company)
(※15)IPFA welcomes RippleLabs as a new Affiliate Member(IFPA)
(※16)Westpac, ANZ trial Ripple payments, but big four reluctant on bitcoin(Financial Review*有料コンテンツ)
(※17)Ripple Labs Awarded as Technology Pioneer by World Economic Forum(Ripple Insight)
(※18)A New Chapter for Ripple(Ripple Insight) (※19)Implementing the Interledger Protocol in Ripple(Ripple Insight)
(※20)INTERLEDGER PAYMENTS COMMUNITY GROUP(W3C)
(※21)W3C LAUNCHES WEB PAYMENTS WORKING GROUP(W3C)
(※22)The Fintech 50: The Complete List 2015(Forbs)
(※23)FINTECH 100 2015
(※24)Baft launches Future Leaders Programme(Global Trade Review) (※25)INNOVATION PROJECT 2016(PYMNTS.com)
(※26)ブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤を提供する 「SBI Ripple Asia」設立のお知らせ (SBIホールディングス)
(※27)Santander UK to Launch Ripple-Powered Payments App in 2016(CoinDesk)
(※28)More Financial Institutions Join Ripple’s Global Network(Ripple Insight)
(※29)Several Global Banks Join Ripple’s Growing Network(Ripple Insight)
(※30)ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関する コンソーシアムの発足について(SBIホールディングス)
(※31)The Forbes Fintech 50 For 2016 (Forbs)
(※32)日米欧9社連合、仮想通貨技術で国際送金実験 シンガポールで実施へ (日本経済新聞)
(※33)Bitstamp Now Trading XRP with 0% Fees(Ripple Insight)
(※34)日本初、アット東京のデータセンターでデジタルアセット(仮想通貨)「XRP」の Validator(検証)ノード運営を開始 信頼性の高い通貨システムに貢献(SBIホールディグス)
(※35)rippled Version 0.60.0(Ripple)
(※36)XRP Ledger の分散化戦略 〜法人利用に対応する頑健性の増強に向けて〜(Ripple Insight)
(※37)How We Are Further Decentralizing the XRP Ledger to Bolster Robustness for Enterprise Use(Ripple Insight)
(※38)XRP Ledger Decentralizes Further With Expansion to 55 Validator Nodes(Ripple Insight)
(※39)Rippleのプロダクトラインナップが拡大(Ripple Insight)
(※40)RippleNetに参加する金融機関が100行を突破(Ripple Insight)
(※41)The 10 fintech companies to watch(FINANCIAL TIMES)
(※42)50 startups that will boom in 2018, according to VCs
(※43)Ripple社はXRPの供給の予測可能性向上のために55BnのXRPをエスクローに預託しました(Ripple Insight)
(※44)MoneyGramは国際送金の迅速化のためにXRPを活用(Ripple Insight)
(※45)More Global Payment Providers, IDT and MercuryFX, Sign Up to Use XRP(Ripple Insight)
(※46)Rippleとサウジアラビア通貨庁 (SAMA)がサウジの銀行に対して共同で実証試験プログラムを提供(Ripple Insight)
(※47)RippleNet、新興市場(インド、ブラジル、中国)へのアクセスを強化(Ripple Insight)
(※48)日本のオンデマンド国内送金アプリがRippleを活用(Ripple Insight)
(※49)Santander launches the first blockchain-based international money transfer service across four countries(Santander)
(※50)First Pilot Results for xRapid(Ripple Insight)
(※51)Welcome to Xpring(Ripple Insight)
(※52)Coil: Building a New Business Model for the Web(Coin Medium)
(※53)rippled version 1.0.0(ripple.com)
(※54)Ripple Introduces the University Blockchain Research Initiative(Ripple Insight)
(※55)SBIバーチャル・カレンシーズのサービス開始のお知らせ(SBIホールディングス)

リップルの支払いシステムの起源は、2004年ごろから考案された「RipplePay(リップルペイ)」といえるでしょう。

リップルはRipplePayを基盤にに、仮想通貨とブロックチェーンの技術を応用した新しいアイデア「コンセンサス・アルゴリズム」などを取り込み、成長しはじめました。

その後、リップルのプロジェクトには、現在のリップル製品の基礎となるアイデアを作り上げた、「Jed McCaleb」やリップル社の現会長である「Chris Larsen」が関わってきます。

それでは、リップルの立ち上げ時期(「Ryan Fugger」の時代)について、主要なイベントについてご紹介します。

RipplePayとは、2004年にRyan Fugger(ルアン・ファッガー)によって考案された分散型金融システムで、これはビットコインよりもずっと古くに誕生したものです。

The Ripple project is actually older than Bitcoin itself. The original implementation was created by Ryan Fugger in 2004, the intent being to create a monetary system that was decentralized and could effectively empower individuals and communities to create their own money.

Introducing Ripple (XRP) - Bitcoin Magazine

意訳

リップルプロジェクトは実際にはビットコインより古いものです。

リップルプロジェクトの起源は、2004年にRyan Fuggerによって作成された分散型の金融システム(RipplePayのこと)です。

RipplePayは、個人やコミュニティに独自のお金を効率的に作り出すことを可能にすることを目的に開発されました。

参考元の、BITCOIN MAGAZINE:Introducing Rippleによると、この時代のRippePayはブロックチェーン技術を応用したものではなく、コミュニティの参加者がリップルの与信枠を活用して、個人間の取引を可能にするというものだったようです。

ビットコインを筆頭とした新しいブロックチェーンの時代がくると、リップルの支払いシステムはさらに発展をとげます。

2011年、ビットコインに関する知見を持つJed McCaleb(ジェド・マカレブ)氏によって、「コンセンサス・アルゴリズム」が考案されました。

※コンセンサスアルゴリズムとは、簡単にいうと、「どの台帳(取引記録をまとめたもの)を分散型台帳で管理するのか」を定めたものです。

ビットコインでは、「マイナー」と呼ばれるコンピュータがネットワークに参加し、Proof of Workというコンセンサスアルゴリズムに基づき、取引の検証・承認作業を行っています。

しかし、Proof of Workに基づく検証作業には、電気代と設備費用がかかるという問題がありました。

そこで、Jed McCaleb氏は新しい仕組みとして、現在リップルで活用されているProof of Consensusの基盤となった、コンセンサス・アルゴリズムを考案したのです。

McCaleb proposed a system in which transactions were verified by consensus among members of the network rather than by mining.

Disruptor Chris Larsen Returns with a Bitcoin-Like Payments System | PaymentsSource

意訳

McCaleb氏はトランザクションの検証をマイニング(取引の検証作業のことで、膨大な計算処理が必要)ではなく、ネットワークの参加者の信頼性(コンセンサス)によって検証されるシステムを提案しました。

このアイデアは、現在のリップルの合意形成アルゴリズム「Proof of Consensus(プルーフ・オブ・コンセンサス)」の基礎となっています。

※Proof of Consensusについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

リップルプロジェクトには、ビットコインとも関わりのある「Jed McCaleb」、そしてオンライン支払いローンの知見を持つ「Chris Larsen(クリス・ラーセン)」が参加しています。

Jed McCaleb氏は、先の項でも紹介したコンセンサス・アルゴリズムの考案者であり、ビットコインや大手取引所MtGoxの創立者でもあり、仮想通貨ステラを開発した人物でもあります。

そしてChris Larsen氏は、e-LoanとProsperというオンラインのローンシステムの創業者で、1990年代から2000年代にかけて消費者金融に革命をもたらした人物です。

リップルの立ち上げには、これらの重要な人物が参加しています。

※リップルの創業者について詳しく知りたい方は、「リップルの創業者」の関連記事をごらんください。

2012年からは「Chris Larsen(クリス・ラーセン)」がリップルプロジェクトを牽引します。

Chris氏は、現在のリップル支払いシステムの技術的な核となる「Inter Ledger Protocol(ILP)」の立ち上げと展開を行いました。

また同時に、インターネット業界に大きな権威をもつ非営利団体「W3C」との連携や、SBIグループと共同で「SBI Ripple Asia」を設立するなど、対外的にも多くの成果を達成しています。

CEO「Chris Larsen」の時代の、リップルに関するトピックを順番に見ていきましょう。

現在では終了していますが、リップルの独自通貨XRPが、世界最大規模の非営利活動プロジェクト「World Community Grid giveaway(WCG)」に貢献したユーザーへ配布されていました。

WCGとは、世界中から「コンピュータの計算能力」を提供して(貸して)くれる協力者を集め、科学技術計算などの難しい計算を共同で行うためのプラットフォームです。

参加プロジェクトは、エボラ出血熱や小児がんの克服、HIVなどの医療や太陽エネルギーの研究など、人類に貢献する研究テーマが中心で、参加者にはそれぞれのプロジェクトで決められた報酬が与えられます。

WCGを通じたXRPの配布は、XPRの配布戦略を見直すことを理由に、2013年の11月に終了しています。

Interledger Protocol(ILP)とは、さまざまな支払い台帳間(ビットコインやクレジットカードなど)をつなぐためのプロトコルで、リップルの支払いシステムの基盤となる技術です。

ILPは2015年10月に、「支払いネットワークを横断する効率的な支払いのためのプロトコル(規約)」として発表されました。ILPの考案・開発者は、リップルの「Stefan Thomas」および「 Evan Schwartz」です。

ILPを使うと、たとえばドルと円、あるいはビットコインなど、異なる通貨の台帳間で支払いや送金をすることが可能になります。

リップルは、この画期的なシステムである「ILP」が世界的に使われるようにするため、インターネットの標準を制定する非営利団体W3C(World Wide Web Consortium)と連携して活動を開始。

現在では、ILPの開発および運営は、リップル社からW3Cに移管されているようです。

Web(インターネット)標準とは、インターネット技術について「誰もが使えることを前提とした規格」のことです。Web標準はブラウザの技術などで使われている言葉で、Web標準になると、その技術は広い範囲で使われるようになります。

2016年5月、Ripple Inc.とSBIホールディングスは共同で、アジア地域においてブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤を提供する会社として、「SBI Ripple Asia」を設立しました。

当社は、リップル社に対して出資を行うとともに、日本及びアジア地域での事業展開を行う合弁会社としてSBI Ripple Asia株式会社を設立し、日本及びアジア地域においてブロックチェーン技術を活用した決済基盤の提供を開始致します。

ブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤を提供する「SBI Ripple Asia」設立のお知らせ|ニュースリリース|SBIホールディングス

2016年10月、「SBIホールディングス」および「SBI Ripple Asia」は、ブロックチェーン技術等を活用する「内外為替一元化コンソーシアム」を発足しました。

内外為替一元化コンソーシアムには、横浜銀行、住信SBIネット銀行をはじめとした国内50以上の金融機関が参加しています。

最近では、同コンソーシアムからは、日本初のスマートフォン向け送金アプリ「Money Tap(マネータップ)」が発表され話題を呼びました。

しかし、2018年4月には、具体的な活動が少ないことなどを理由に、複数の銀行が同コンソーシアムを離脱したことが報道されています。

今後の動向に注目していきたいと思います。

リップル社の第一期CEOである「Chris Larsen」の退任とともに、新しくCEOに着いたのは「Brad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)」氏です。

Garlinghouse氏の時代には、リップル社内の2つの台帳システムである「XRP Ledger」と「インターレジャー」が接続されました。

そして、現在の主要なリップル製品(xCurrent / xRapid / xVia)の発表。

リップル社はこれらの製品を元に、対外的なパートナー獲得の活動に力を入れているようで、続々とパートナーシップが締結されています。

CEO「Brad Garlinghouse」の時代の、リップルに関する主要なトピックを順番に見ていきましょう。

リップル社の台帳には、XRPお取引履歴を管理する「XRP Ledger」と、ビットコインやイーサリアムなど、異なる台帳を接続するための「インターレジャー」の2種類があります。

Interledger Protocol(ILP)は広義的にはインターレジャーに含まれ、台帳間を接続するための規約にあたります。

2017年5月のリップルバージョンアップで、XRPレジャーとインターレジャーが相互に接続できるようになり、リップルの主要製品である「インターレジャー(またはILP)」を通じて、XRPを扱えるようになります。

また、最近では、XRP Ledgerの分散化が進み、世界各地に25以上のバリデータノード(取引の検証を行う権限をもつノード)が存在するようになりました。(現在ではさらに多くのバリデータノードが存在しています)

※ノードは、リップルのネットワークに接続されている、スマートフォンやPCなど、不特定多数のコンピュータ端末のことです。

XRPは、現在もその多くがリップル社の保有下にあります。

リップル社がこのXRPを市場に自由に流すことによってXRPの価格を操作する能力があることが、投資家の懸念材料となっていました。

この不安を払拭するため、リップル社は自社が保有する550億XRPをエスクロー口座(第三の機関)にロックアップ(凍結)しました。

Ripple社が市場にXRPを過剰供給しようと思えばできるという点について、それはRipple社にとって良くないシナリオであるということは繰り返し述べてきましたが、今回のロックアップ(エスクロー預託)によって、そのような懸念は完全に取り除かれることになります。

Ripple Escrows 55 Billion XRP for Supply Predictability | Ripple

ロックアップした550億XRPについて、リップル社は自由に動かすことができず、プログラムで決められた期日と量でしか動かせないようになりました。

2017年から2018年にかけて、世界中の多くの金融機関(銀行や送金業社)がリップル製品を導入や実証実験を行うことを発表しました。

リップルの送金ネットワークは「RippleNet」と呼ばれ、リップルと提携する金融機関は、このRippleNetに参加する形となります。

RippleNetへの参加数は、2017年10月時点で100機関を超えています。

日本でRippleNetに参加している大きな組織には、次のような銀行があります。

・SBIホールディングス ・三菱UFJグループ

この他、世界的に大きな金融機関では「Santander UK」「Western Union」「MoneyGram」などが参加しています。

2017年8月、リップル社の主要な商品として次の3つが発表されました。

  • xCurrent
  • xRapid
  • xVia

xCurrentは銀行向けの国際送金サービス、xRapidは「XRP」を使用した送金サービス、そしてxViaは請求書発行などの機能を持つインタフェース製品です。

これらのパッケージ製品を中心に売り出すことで、より多くのパートナーへアプローチしやすくなり、多くの機関とのパートナーシップ締結に繋がりました。

実際、これらの製品の検証実験はすでに行われており、xRapidを活用した「アメリカ〜メキシコ間」の国際送金が、わずか2分で完了(従来の送金では、平均で2~3日かかっていた)し、送金コストが従来のコストと比較して、40〜70%削減できたそうです。

2018年に入り、リップル社はこれまでの「金融機関を中心とした事業展開」から一変し、「様々な分野」へ事業を展開しています。

たとえば、次のような分野への事業展開を試みています。

  1. XRPを活用したい「ベンチャー企業」
  2. 「スマートコントラクト(※)」に興味のある分野への多業種展開
  3. ブロックチェーンの研究に意欲的な「大学研究機関」

1のベンチャー企業向け展開は、リップル社の開催する「Xpring」というベンチャーキャピタルで支援を行なっています。

2のスマートコントラクト事業は、元リップル社のCTO「Stephan Thomas」氏が立ち上げた関連会社「Coil」として活動を展開。

そして3の大学研究機関との連携は、大学ブロックチェーン研究戦略(UBRI:University Blockchain Reserch Initiative)として始まったようです。

金融機関以外の分野にも事業を展開し始めたリップルの今後の活動に目が離せません。

(※)スマートコントラクト(Smart Contract)とは、契約内容とその執行条件を事前にプログラミングしておけば、執行条件が達成されたときに人の手を介さずに、取引が自動で実行されるという仕組みです。

時価総額第2位の仮想通貨イーサリアムに実装されていることで有名ですね。

リップルの歴史について、3つの時代に区分し、各時代における主要なイベントについてご紹介してきました。

リップルの歴史は、大きく分けて次のような流れで展開していることがわかりました。

  • Ripplepay(分散型支払いシステム)からはじまったリップルプロジェクト
  • Jed McCaleb氏、Chris Larsen氏らにより、ブロックチェーン技術やオンラインシステムのノウハウが取り込まれる
  • 「Interledger Protocol(ILP)」の発表、W3Cとの連携による汎用化
  • 「SBI Ripple Asia」や「内外為替一元化コンソーシアム」などの機関の発足
  • リップル製品(xCurrent / xRapid / xVia)の登場
  • 提携パートナーの増加
  • 金融機関以外への多業種展開

リップル社は、金融機関以外への分野に事業を展開し始めていましたね。

今回の記事では、歴史から過去の出来事を紐解いてきましたが、リップルの今後の展開についても注目していきたいと思います。