目次

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  1. そもそもリップル(XRP)とは
  2. リップルを支える5つの仕組みとは
  3. 【RippleNet】リップルの仕組み①
  4. 【ILP】リップルの仕組み②
  5. 【XRP】リップルの仕組み③
  6. 【XRP Ledger】リップルの仕組み④
  7. 【Proof of Consensus】リップルの仕組み⑤
  8. 《まとめ》リップルの仕組み
Large ripple

リップルは時価総額第3位(2018年6月時点、Cryptocurrency Market Capitalizations調べ)の仮想通貨です。

リップルは主に「銀行や国際送金業者などの金融機関」で使われることを想定して作られています。

リップルの仕組みについて知りたい人の中には、リップルの支払いシステムについて知りたい方もいれば、仮想通貨XRPについて知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、リップルの仕組みについて読者の方が広く理解できるように、この両方の話題を取り扱っていきます。

それでは、リップルの仕組みについて一緒に確認していきましょう。

リップルとは、既存の国際送金の課題となっている「送金にかかる長い時間」や「高い送金手数料」などの課題を解決するために開発された支払い/送金システムです。

ここで注意したいことは、「リップル」という名称が示す定義は広く、主に次のようなものがリップルと呼ばれています。

  • Ripple Inc.(社名)
  • 国際送金ネットワーク「RippleNet(リップルネット)」
  • Ripple Inc.(社名)が提供する製品
  • 仮想通貨XRP
    取引所で取り扱いがされているのが、XRPです。

こう見ると、リップルという用語がいかに広く使われているかがわかりますね。

この記事では、読者の皆様の混乱を防ぐため、支払い/送金システムのことを「リップル」、リップルの仮想通貨のことを「XRP」、Ripple Inc.を「リップル社」、そしてRippleNetとリップル社が提供する製品についてはそのまま「RippleNet」と「リップル社の製品」と記載します。

では、リップルについてのおさらいができたところで、リップルを支える仕組みについて確認していきましょう。

リップルの仕組みを理解する上で重要になってくるのは、以下の5つの仕組みです。

5つの仕組みのうち、初めて聞いたというものがあるかもしれませんね。

どれもリップルの仕組みを理解する上でかかせないものなので、それぞれの仕組みについて、順番にわかりやすく説明していきます。

RippleNet(リップルネット)とは、リップル社が提供する企業向けの国際送金ソリューションです。

ソリューションとは、顧客の課題を解決するためのシステムを提案し、顧客の持つ課題に一緒に取り組んでいくビジネスのことをいいます。

つまりRippleNetとは、国際送金に関して顧客が困っていることを、リップル社が一緒になって解決していくビジネスのなのです。

RippleNetの目標としてリップル社は、「価値のインターネット(Internet of Value:IoV)」を掲げていて、次に紹介する3つのソリューションを提供しています。

価値のインターネット(Internet of Value:IoV)とは

 インターネットが世界中のデータをスムーズに交換するように、世界中の価値(お金)をスムーズに交換するための支払いネットワークが「価値のインターネット」です。自律走行の自動車やスマート家電などに代表される、「物のインターネット(Internet of Things:IoT)」と同じタイプの造語です。

リップル社は、顧客の業務に合わせた、以下の3つの国際送金ソリューションを用意しています。

  1. xCurrent(エックスカレント)
  2. xRapid(エックスラピッド)
  3. xVia(エックスヴィア)

xCurrentとは、銀行間の即時国際送金を可能にするための製品です。

xCurrentには、メッセージ機能が搭載されていて銀行間で送金が実行される前に、送金内容をリアルタイムで確認することが可能になります。

従来の銀行間送金では、送金情報の確認や伝達に、多くのコストを必要としてましたが、このxCurrentを活用することで、そのコストを抑えることができるのです。

xRapidとは、XRPを利用することで、迅速な送金と送金コストの削減を実現する製品のことです。

例えば、途上国へ送金する際など、事前にノストロ口座という世界中の現地通貨口座に資金を準備しておく必要がありました。

ノストロ口座とは、銀行間取引での資金決済を行なう当方の決済口座です。または外国に現地の通貨建で保有する当方の決済口座になります。(銀行間の外国為替取引は、外貨の決済口座を相手銀行に告知します)

ノストロ・アカウント|金融/証券用語集|株のことならネット証券会社【カブドットコム】

xRappidとは、さまざまな通貨と交換可能なXRPを活用することで、ノストロ口座の管理費のカット、ノストロ口座を仲介としない送金が実現するので、迅速な送金とコスト削減につながると考えられます。

ちなみに、xRapidを活用したアメリカ〜メキシコ間の送金実験では、送金がわずか2分で完了(従来の送金では、平均で2~3日かかっていた)し、コストが40〜70%削減できたと発表されています。

参考元:First Pilot Results for xRapid

xVia(エックスヴィア)は、RippleNetに参加する機関(法人、銀行、送金業者など)に対して、標準的な支払いインタフェース(利用者が直接触れる部分である、わかりやすい画面や帳票など)を提供する製品です。

xViaでできることの一例としては、手続き中の支払いを追跡できたり、支払いと同時に帳票(請求書など)を添付するなどがあります。

xViaを利用する人は、RippleNetでの取引の内容(支払いに関する情報)にアクセスするために、特別なソフトウェアのインストールをする必要はありません。

ユーザーは面倒な操作をすることなくxViaを利用して、RippleNetへの参加が可能です。

画像引用元;リップル公式HP

RippleNetには、銀行や国際送金業者など、100以上の機関(2018年6月時点)が参加しており、次のような大手機関も参加しています。

  • MUFG Bank(日本の大手銀行グループ)
  • Santander UK(スペインの大手銀行グループ)
  • Standard Chartered (イギリスの大手銀行グループ)
  • American Express(クレジット会社)
  • MoneyGram(国際送金業者)

この他にも、提携情報は随時、リップル社の公式サイトで発表されているので、気になる方はチェックしてみましょう。

ここまで、RippleNetや3つのソリューションについて確認してきましたが、これらのソリューションの基盤となる仕組みが、ILPやXRP、XRP Ledgerです。

次の章では、RippleNetの中でもとりわけ重要な仕組みである「ILP(インターレジャー・プロトコル)ついてご紹介します。

ILP(Interledter Protocol:インターレジャー・プロトコル)とは、さまざまな通貨の台帳同士をつなぐ技術です。

ILPがあることで、ドルや円、あるいは円やビットコインといった、種類の違う支払い手段をスムーズに交換することができるようになります。

RippleNetの目的である「価値のインターネット」を実現するため、つまり世界中の価値(通貨)を簡単に交換できる環境をつくるためには、ILPはなくてはならない仕組みといえるでしょう。

ちなみに、ILPは、リップル社のエンジニアが開発した技術なのですが、現在は非営利団体である「W3C(World Wide Web Consotium)」がILPの運用・開発を行なっています。

ILPのについてもっと詳しく知りたい方は、「リップルのILPとは」の記事をご覧ください。

RippleNetの中でも、とりわけ重要な仕組みである、ILPの概要をご紹介しました。

ILPがあることで、異なる台帳(支払い手段)同士の資金のスムーズなやりとりが可能になり、迅速な送金や決済が実現するのでしたね。

ILPを理解したところで、RippleNetのなかでも、リップルのセキィリティ担保や異なる通貨同士の迅速な交換を可能にする、仮想通貨XRPについてご紹介します。

XRP(エックス・アール・ピー)とは、リップル社が開発した仮想通貨で、1000億枚発行されています。

XRPがリップルで果たす重要な役割は以下の2つです。

  1. ブリッジ通貨
  2. セキュリティ対策

ブリッジ通貨とは、多くの貨幣と交換することを目的にした通貨のことで、円やドルなどの法定通貨やビットコインなどを相互に交換する際の橋渡し(ブリッジ)となる通貨のことです。

XRPは、多種類の貨幣を仲介することを目指していることから、ブリッジ通貨といえるでしょう。

先ほど、xRappidについて紹介しましたが、xRappidではXRPを活用することで、ノストロ口座の管理費のカットノストロ口座を仲介としない送金の実現が可能と説明しましたかと思います。

XRPが様々な通貨の交換の橋渡しをしてくれるので、貨幣の管理コストや仲介業者(貨幣を両替する機関など)が必要なくなるのです。

リップルでは、XRPはを「システム手数料」「アカウント作成時のリザーブ料金」として活用することで、セキュリティ対策を行なっています。

システム利用料

リップルのシステムを利用する際、つまり送金や決済を実行する際には少額のXRPが手数料として徴収されます。

この手数料はネットワークへの負荷に比例して増加するよう設定されているのですが、この設定によりリップルは悪意ある参加者の攻撃からシステムを保護しているのです。

仮に悪意ある攻撃者がリップルのシステムに負荷をかけてシステムダウンを引き起こそうとしても、それを実行するには高額な手数料が必要になります。

攻撃者は、ネットワークに負荷をかけるほどお金を失うという経済的な理由から、攻撃がしづらくなるということですね。

このように、XRPをシステム利用料として徴収することで、リップルは悪意ある攻撃者からシステムを守っているのです。

ちなみに、手数料として使用されるXRPは破棄されるので、リップル社や銀行などが徴収するわけではありません。

アカウント作成時のリザーブ料金

XRPの新規アカウント(口座)を作るときには、アカウントを維持するために一定のXRPをリザーブする必要があります。

現在のリザーブ量は20XRPです。

このリザーブに使用したXRPは、新しい口座を有効化するのに必要なもので、使用することができません。

このリザーブ量の仕組みも、リップルのセキュリティを担保するのに一役買っています。

悪意のある攻撃者が、ネットワークに負荷をかけるために大量の口座を作ろうとしても、それだけXRPが必要になるので、攻撃しづらくなるという仕組みです。

XRP Ledgerは、文字通り「XRPの台帳(Ledger)」で、XRPを活用した送金や決済などの全ての取引記録が管理されており、リップルに参加している参加者でデータを分散管理しているため、分散型台帳といわれています。

XRP Ledgerは、リップル社などの中央機関のサーバーが一括で管理しているわけではないため、一つのサーバーを攻撃するだけでは取引情報を改ざんすることはできず、セキュリティに強いシステムといえます。

この分散型台帳を活用することで、リップルは安全なデータ管理を実現しているのです。

※分散型台帳では、仮にある参加者が管理している台帳の取引情報が改ざんされたとしても、他の参加者の取引情報を参照することで、取引の内容が一致しないことが発見できるのです。

ちなみに、XRP Ledgerに記録される取引情報とは、次のようなものです。

  • 台帳の番号
    →100番目の台帳なら、100
  • 口座情報、信頼できる取引ルートの情報、アカウントの残高など
  • トランザクション(送金や決済などの取引記録)
  • タイムスタンプ(取引が検証された時間を証明するためのサイン)
  • 検証済みマーク

XRP Ledgerについてもっと詳しく知りたい方は、「リップルのXRP Ledgerとは」の記事をご覧ください。

XRP Ledgerに記載される取引記録は、コンセンサス・アルゴリズム(検証の仕組み)に基づき、検証されています。

次の章では、リップルのコンセンサス・アルゴリズムである「Proof of Consensus(プルーフ・オブ・コンセンサス)」について解説していきます。

取引が正しいかどうか(不正な取引ではないか)を検証する仕組みを、コンセンサスアルゴリズム(検証の仕組み)といいます。

もう少し、噛み砕いていうと、コンセンサスアルゴリズムとは、どの台帳(取引データをまとめたもの)を、分散型台帳(XRP Ledger)で管理するかを決めるためのルールです。

リップルで使われているコンセンサス・アルゴリズム(検証の仕組み)は、「Proof of Consensus(プルーフ・オブ・コンセンサス)」というのですが、Proof of Consensusでは、Validatorという特殊な参加者の8割以上が、承認した台帳をXRP Ledger で管理することを定めています。

承認とは、取引記録や台帳に改ざんなどの不正がないと承認することを指します。

次の図は、Proof of Consensusのイメージ図です。

Proof of Consensusに基づく、取引がXRP Ledgerに管理されるまでの流れの詳細を確認しましょう。

リップルで取引が行われると、取引は「台帳に記録される候補の取引(Canditate)」として、ネットワーク上の参加者に転送されます。

そして、伝搬された取引記録をValidatorが検証。

そして、Validatorの80%が承認すると、その取引記録はXRP Ledgerに承認される仕組みになっています。

Validatorは誰でもなれるものではなく、リップルが管理しているUNL(Unique Node List:ユニークノードリスト)から選出されます。

ちなみに、取引記録を改ざんしようとすると、バリデーターの80%以上が協力することが必要で、簡単には改ざんができない仕組みになっているのです。

ここまでで、リップルの仕組みについて、見てきましたが、リップルを支える5つの仕組みをまとめると以下の通りです。

  • RippleNet
    リップル社が提供する企業向けの国際送金ソリューションで、xCurrent/xRapid/xViaの3つのソリューションがあります。
  • ILP
    さまざまな通貨の台帳をつなぐ技術
  • XRP
    ブリッジ通貨やセキュリティ対策に活用されるリップルの仮想通貨
  • XRP Ledger
    リップルの取引を管理するための分散型台帳
  • Proof of Consensus 正当な台帳を管理するための検証ルール

この記事では、リップルの仕組みについて、大まかな概要を解説してきましたが、さらに詳しい情報を知りたい人は、参考記事を読んでみることをおすすめします。