目次

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  1. 【概要】XRP Ledgerとは
  2. XRP Ledgerの特徴
  3. XRP Ledgerの仕組み
  4. XRP Ledgerの活用事例
  5. まとめ
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XRP Ledgerは、その名前が示す通り「XRPの台帳(Ledger)」です。

リップルの公式サイトや製品情報などで、XRPの名前とともに「XRP Ledger」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

XRP Ledgerとは、リップル社が開発する送金システムの核であり、リップルやXRPについて知る上では是非とも把握しておきたい内容です。

では、XRP Ledgerはどのようなもので、どのような仕組みなのでしょうか?

この記事では、XRP Ledgerの概要や特徴、XRP Ledgerで発生する手数料から技術的な仕組み、そしてXRP Ledgerの活用事例について、公式サイトの図解を元にわかりやすく説明します。

XRP Ledgerとは、仮想通貨XRPを活用した、送金や決済などの取引データを記録するための分散型台帳で、暗号化技術を用いているため、取引記録の改ざんが極めて困難になるよう設計されています。

ビットコインやイーサリアムでは「ブロックチェーン」という分散型台帳が使用されていますが、リップル(XRP)にとっての分散型台帳が「XRP Ledger」です。

分散型台帳とは?

分散型台帳とは、取引の記録をまとめた台帳のデータを、ネットワーク参加者みんなで分散して管理するというものです。

一つのサーバがデータを管理しているわけではないので、改ざんに強い、システムがダウンしにくいという特徴があります。

分散型台帳のイメージ図

分散型台帳やブロックチェーンの詳細は「ブロックチェーンとは」の記事をご覧ください。

XRP Ledgerは開発の初期段階では「Ripple Consensus Ledger:RCL」という名称、リップルの公式サイトの一部では、まだこの表現が残っています。

ここまでの説明で、「XRP Ledger=リップルの分散型台帳」ということはご理解いただけたでしょうか。

概要について理解したところで、以降の章では、XRP Ledgerについて次の4つの章に分けて説明していきます。

  • XRP Ledgerの特徴
  • XRP Ledgerの手数料
  • XRP Ledgerの仕組み
  • XRP Ledgerの活用事例

まずは、XRP Ledgerの特徴から見ていきましょう。

XRP Ledgerの特徴の中で、主なものを4つご紹介します。

  1. 改ざんが極めて困難
  2. 独自のコンセンサスアルゴリズム
  3. 中立的な手数料(ニュートラルフィー)
  4. アカウント作成に20XRPが必要

ひとつづつ確認していきましょう。

分散型台帳であるXRP Ledgerでは、取引記録がネットワーク参加者によって分散して管理されていることは前述の通りです。

※ネットワーク参加者が活用している、スマホやPCなどの端末をノードといいます。

ノード(node)とは「つなぎ目」という意味があり、リップルやビットコインなどの仮想通貨では、ネットワーク(オンライン)とオフラインの人間をつなぐ、携帯やPCなどの端末のことを指します。

XRPの取引記録はノードに分散して記録されるため、技術的に改ざんされにくいと言えます。

仮に一つのノードが管理されているデータが改ざんされたとしても、他のノードのデータを参照すればデータの整合性がないことが一目瞭然なので、改ざんを検出しやすいという理屈です。

また、XRPの取引は、ネットワークに参加するノードを通じて検証される仕組みになっていて、単独の機関/ユーザが不正に操作することは非常に困難と考えられています。

また、取引情報の巻き戻し(ロールバック)同様です。

XRP Ledger上の取引は、コンセンサスアルゴリズムという仕組みで検証されます。

コンセンサスアルゴリズムとは、どの取引データを分散型台帳に記載するのかを決めるためのルールのことです。

リップルで採用されているコンセンサスアルゴリズムはビットコインで採用されているものとは異なり、Validatorと呼ばれる、信頼できるいくつかのノードが取引の検証をすることで、短い時間で決済(実際のお金の移動)が完了します。

ビットコインでは、Proof of Workというコンセンサスアルゴリズムの基、不特定多数のマイナーというノードによって取引が検証されています。

実際、XRPの送金は、4〜5秒で完了し、1秒あたり最高1500程度の取引記録を処理できます。

これは、他の主要な暗号通貨と比較しても高い数字です。

コンセンサスアルゴリズムの詳細は後述しています。

Ripple Inc.は「価値のインターネット(Internet of Value:IoV)」を実現することを目標にしています。

価値のインターネット(Internet of Value:IoV)とはRipple Inc.による造語で、インターネットで情報を交換するのと同じように手軽で簡単に、世界で使われるさまざまな通貨(法定通貨や仮想通貨)を相互に交換できるようにすることです。

XRPの送金などの取引を行う際、ビットコインやイーサリアムなどと同様に取引手数料が発生するのですが、この手数料は「中立的な手数料ニュートラルフィー)」といわれ、誰に対しても支払われません。

ビットコインやイーサリアムでは、「マイナー」と呼ばれる取引の検証・承認作業を行うノードへ、作業の対価(報酬)として取引手数料が支払われます。

しかし、XRP Ledgerに取引記録を管理する際の取引手数料は、誰の手にも渡らず破棄される仕組みになっているのです。

参考情報

リップルが手数料を設けている理由の1つは、XRP Ledgerを悪意ある参加者からネットワークを保護するためです。

XRP Ledgerに対して悪意ある人が攻撃をしかける手段として、「大量の取引を行い、ネットワークに負荷をかける(スパム攻撃)」というものがあります。

リップルの手数料はネットワークへの負荷に比例して増加するよう設定されており、仮に悪意ある攻撃者がリップルのシステムに負荷をかけてシステムダウンを引き起こそうとしても、それを実行するには高額な手数料が必要になります。

このことから、XRPは悪意ある攻撃者からシステムを守る役割も果たしているのです。

XRP Ledgerのアカウント(XRPの口座)を維持するには、最低限保有しておかなければならないXRP量(リザーブ量)が決まっています。

現在のリザーブ量は20XRPで、新しく口座をつくるときには、必ず20XRPを先に口座にいれておかねばならず、この20XRPは動かすことができません。

つまり、新しく口座を作成し、口座を維持するために20XRPが必要になります。

このXRP口座のリザーブ量も、悪意ある攻撃(ネットワークの負荷を狙って、大量の口座を作ったり、大量の送金をしかけること)からXRP Ledgerを守っている仕組みの一つです。

ここまで、改ざん耐性やコンセンサスアルゴリズムなど、XRP Ledgerの特徴をご紹介してきました。

次の章では、XRP Ledgerの技術的な仕組みについて解説していきます。

XRP Ledgerの技術的な仕組みについては、次の3つの項目に分けて説明していきます。

  • XRP Ledgerのデータ構造
  • XRP Ledgerのネットワークの構成要素
  • XRP Ledgerのコンセンサスアルゴリズム

XRP Ledgerには、すべてのXRPの取引や口座情報が、所定の形式で記載されています。

以下の画像は、リップルの公式サイトにある、XRP Ledgerのデータ構造の図解になります。

図に示されている「台帳に含まれる情報」は、上から順に次の通りです。

  • 台帳の番号(更新のたびに増える)
    →100番目の台帳なら、100
  • 口座情報、信頼できる取引ルートの情報、アカウントの残高など
  • トランザクション
    →送金や決済などの取引記録のこと。「AさんからBさんへ10XRP送金」といった形式で表される
  • タイムスタンプ(検証された時間を証明するためのサイン)
  • 検証済みマーク

このようなデータが、XRP Ledgerには格納されているのです。

上の画像は、ノード(XRP Ledgerを管理している)が構成するネットワークを表しています。

この図から、XRP Ledgerのネットワークの構成要素は以下の3つということがわかります。

  1. クライアントアプリケーション
    モバイルアプリや、Webウォレットのことを指します。
  2. **トラッキングノード(tracking node)*
    トラッキングノードは、クライアントから取引データを受諾転送したりするノードです。
  3. バリデーティングノード(validating node)
    バリデーティングノードは、トラッキングノードの全ての機能に加えて、取引データの検証・承認を行います。

XRP Ledgerでは、新たな取引データが生成されると、取引データはノードを介してネットワークに伝搬していき、最終的にバリデーティングノードによって検証され、正しい取引(改ざんなどの不正がない)であることが認められると、XRP Ledger上に記録されます。

XRP Ledgerはこのような仕組みで、送金などの取引情報を記録しているのです。

XRP Ledgerが用いるコンセンサスアルゴリズムは「Proof of Consensus(プルーフ・オブ・コンセンサス,以下:PoC)」というもので、これはRipple Inc.が開発した独自のアルゴリズムです。

先ほども少し、説明しましたがPoCではビットコインのProof of Workとは異なり、信頼できるノードによって取引記録の検証・承認作業が行われます。

以下の、図はProof of Consensusのイメージ図です。

ネットワークのノードの中で検証の役割を持つ「バリデーティングノード」だけが、取引の検証を行うことができます。バリデーティングノードは、「バリデータ(Validator)」とも呼ばれます。

バリデータは、リップル(Ripple Inc.)に安全であることが確認された企業や大学や研究機関などが、その役目を担っており、バリデータのうち8割が取引を有効と認めると、その取引は承認され、XRP Ledger上に正式に記録されます。

Validatorは、誰でもなれるものではなく、リップルが管理しているUNL(Unique Node List)から選出されます。

つまり、リップルではビットコインとは異なり、不特定多数のノードではなくValidatorという特定のノードにのみ取引の検証作業をする権利が与えられているのです。

ここまでは、XRPの技術的な仕組みについて見てきました。

最後に、XRP Ledgerがどのように活用されていくかを確認していきましょう。

XRP Ledgerは、Ripple Inc.の国際送金ソリューションの中では、「xRapid(エックス・ラピッド)」という製品で活用されます。

xRapidは、銀行や国際送金業者に対してXRPを使った国際送金の能力を提供します。

上の図は、リップル公式サイトに掲載されているxRapidの説明図です。

支払い業者(Payment Providers)と銀行(Payout Bank)の間にある、オレンジ色の四角がxRapidを表していて、XRP Ledgerはこの部分で使われています。

xRapidの図の下方には「XRP/KRW、XRP/JPY、XRP/MXN」と書かれており、XRPと他の通貨(この場合は法定通貨)が交換できることが示されているのがわかりますね。

このように、xRapidを導入した銀行や国際送金業者は、XRPを使った高性能な国際送金サービスを顧客に提供できるようになります。

xRapidを導入する銀行や企業が増えるほど、それだけXRPが使われることになり、世界の金融インフラにおいてXRPが流通するようになるでしょう。

xRapidを活用した送金の実験では、国境を超えたリアルタイム送金(アメリカ〜メキシコ間)が、わずか2分で完了(従来の送金では、平均で2~3日かかっていた)し、従来の送金コストが40〜70%削減できたそうです。

実際、xRapidの導入に対して積極的な金融機関(銀行、送金業者)は、年々増えつつあります。

Ripple Inc.の2018年Q1マーケットレポートによると、2018年第一四半期で新たに次のような機関が、xRapidを使ったパイロットテスト(実証実験)に参加することを発表しました。

  • Western Union(国際送金業者)
  • Cambridge Global Payment(国際決済業者)
  • MercuryFX(国際決済業者)
  • IDT Corporation(国際決済業者)
  • MoneyGram(国際送金業者)

これらはいずれも国際送金、または国際決済サービスを提供している会社です。

参加を表明しているのは、xRapidを使った実証実験ですが、実験がうまくいった場合は、実運用で利用される可能性も十分にあります。

XRP Ledgerの活用は、xRapidの導入という形で広がっていくのではないでしょうか。

XRP Ledgerについて、その概要から特徴、手数料や技術的な仕組み、そして活用事例について、一通りをご紹介してきました。

これまでの内容をまとめると、次の通りです。

  • XRP Ledgerとは、XRPのすべての取引や口座情報が記載される分散型台帳
  • XRP Ledgerには、改ざんされにくい、独自のコンセンサスアルゴリズムを活用しているといった特徴がある
  • XRPの手数料は、中立的で誰にも支払われず破棄される。これはスパム攻撃への対策にもなる
  • XRPの取引情報は、ネットワーク上のノードを伝搬し検証されたのち、XRP Ledgerに記載される
  • XRP Ledgerは、国際送金ソリューションxRapidとして活用されている

XRP LedgerとXRPについて、理解が深まったでしょうか。

XRP LedgerはRipple Inc.の提唱する、「価値のインターネット」を実現するための核となる製品でもあり、世界中の金融機関で使われることが期待されています。

このほか、XRP Ledgerと接続されているリップルが開発した台帳システムには、ILP(インターレジャープロトコル)があります。

ILPについて詳しく知りたい方は、こちらのリンクもご覧ください。