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イーサリアムの取引をしたことがある人の中には、イーサリアムのアドレスという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
アドレスはイーサリアムを取引する際には必ず必要となるもので、アドレス宛に通貨の送受金が行われます。
この記事をご覧の方の中には、
「イーサリアムのアドレスとはどういう仕組みになっているのか?」
「アドレスはどのような役割を持つのか?」
などと疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、「イーサリアムのアドレス」とはどういうものなのか、わかりやすくご説明していきます。
イーサリアムのアドレスとは、イーサリアムにおいて送金先を特定するため識別子として使用される文字列のことで 、銀行で例えると、口座番号のようなものです。
イーサリアムのアドレスを活用すれば、独自通貨ETHの送受金を行うことができます。

上記はイーサリアムアドレス生成ツールから作成したのですが、「0x6079dd09E8bfDFb3032eE0aD6f35Eb3e9aa506B6」の文字列がイーサリアムのアドレスになります。
イーサリアムのネットワーク参加者は、このアドレスと紐づいたイーサリアムは、送付元のイーサリアムアドレスの秘密鍵を使用することで、送金や決済に利用することが可能です。
秘密鍵とは、銀行口座でいう暗証番号のことです。イーサリアムを送金する際には、秘密鍵が必ず必要になります。
イーサリアムアドレスの概要はご理解いただけたのではないでしょうか。
では、イーサリアムのアドレスに対する理解をさらに深めるために、特徴を一緒に確認していきましょう。
イーサリアムのアドレスの特徴は、以下の通りです。
- イーサリアムのアドレスには2種類ある
- 送金ミスで通貨を失う可能性がある
- アドレスから取引履歴を確認できる
- ICOに(※)に参加することが可能
それぞれの特徴を、確認してみましょう。
ICOとは、プロジェクトを遂行したい企業や団体が、独自に発行した仮想通貨(トークンと呼ばれる)を販売して行う資金調達のこと。ICOは、Initial Coin Offeringの頭文字。 エアドロップとは、通貨を無料で配布することで、イーサリアムを保有している参加者に新規コインが付与されます。
イーサリアムには、以下の2種類のアカウント存在し、それぞれのアカウントに紐づく2種類のアドレスが存在します。
- コントラクトアドレス
スマートコントラクトを実行する際に活用されるアドレス。コントラクトアカウントにひもづくアドレスのこと - EOAアドレス
通常の送受金で使用されるアドレスで、EOA(Externally Owned Account)に紐づくアドレス。
スマートコントラクトとは、契約内容とその執行条件を事前にプログラミングで設定し、執行条件が満たされた時に、契約した内容が人の手を介さず自動で実行されるという仕組みです。
2種類のアカウントについて
EOA:通常の送受金に使用されるアカウントで、イーサリアムの送金や、コントラクトアカウントに対してスマートコントラクトを実行するためのトランザクションの送信などを行う。
コントラクトアカウント:EOAから受信したトランザクションを基にスマートコントラクトを実行するアカウント。
参考元:Ethereum入門
イーサリアムでは、ビットコインとは異なり仮想通貨の価値の移動だけを管理するわけではなく、「契約情報」を扱うアドレス と「通貨の移動」を扱うアドレス の2つがあるのです。
少し話が変わるのですが、イーサリアムのアドレス を使う上で注意しておきたいことがあります。
それは、コントラクトアドレスにイーサリアムやイーサリアムベースのトークン(※AugurやOmiseGo,Golemなど)を送ってしまうと、送金したイーサリアムやトークンが凍結してしまう恐れがあることです。
理由に関して、ここでは詳しく解説しませんが、実際一部の取引所では、「送金をする際にコントラクトアドレスにETHを送らないでください」という警告が出る場合があります。
イーサリアムのアドレスを間違って入力して、送金指示を出してしまったらどうなるのでしょうか。
送金先のアドレスが存在しなかった場合、エラーとなり送金は実行されません。 エラーで送金されなかった旨がウォレット内で表示され、残高も元のままだと思います。
また、万が一送金先のアドレスが存在し、想定していた宛先とは違うウォレット宛に送金されてしまっても、仮想通貨取引所内での誤送金であれば、アドレスから個人情報を特定して誤送金を取り消してくれる場合があります。
しかし、イーサリアムのアドレスは取引所などの一部の例外を除き、アドレスと個人情報が結びついていません。
万一、取引所内での誤送金ではない場合、イーサリアムアドレスと紐づく個人情報が管理されていないため、送金先の持ち主を知ることができず、その通貨は戻ってこない可能性があります。
イーサリアムアドレスを間違えることがないよう、コピペ機能やQRコードを利用するなど、十分に注意してください。
イーサリアムの送金や決済などの取引履歴は、ブロックチェーンという台帳で管理されており、全世界に公開されています。
そのためイーサリアムの取引は追跡性(トレーサビリティ)があり、具体的にはEtherscanなどのサービスから確認することができます。
以下にて、取引履歴の確認の方法を画像と一緒にご紹介していきます。
①サイトにアクセスしたら、右上の検索BOXにイーサリアムアドレスを入力し、Goをクリックします。

②以下のような取引履歴(適当な履歴を表示しています)が表示され、どのアドレスからどのアドレス宛に、いくら送金されているかがわかります。
それ以外にも、取引がどのくらいのサイズであったのか、取引手数料がいくらだったのかも確認することができます。

イーサリアムアドレスを管理するウォレットを保有していれば、ICOとエアドロップに参加することが可能です。
ICOとは仮想通貨を活用した資金調達ということはご説明しましたが、多くのICOで発行される仮想通貨(トークン)はイーサリアムベースのトークンであることが多いです。
ICOでは、自身が保有するイーサリアム(ETH)を、資金調達元が指定するコントラクトアドレスに送金すれば、販売されている仮想通貨がアドレスに付与されます。
アドレスを作成し、イーサリアムを保有していると、エアドロップというものにも参加することが可能です。
エアドロップとは、ビットコインやイーサリアムを保有している通貨の量に比例して、プロジェクトで使用される仮想通貨を無料で配布することをいいます。
ビットコインやイーサリアムは、多くのユーザーが保有しているため、それらの通貨を保有しているユーザーにプロジェクトの仮想通貨を付与すれば、認知度と利用者を獲得することができるため、エアドロップは行われているのです。
ここでは、ICOやエアドロップにも参加が可能で、日本語に対応していることから人気の高いウォレット、「MyEtherWallet(マイイーサウォレット)」でイーサリアムアドレスを作成する方法をご紹介します。
①MyEtherWalletのトップページから右上にある、プルダウンリストから日本語を選択することでサイトを日本語対応させることができます。

②任意のパスワードを9字以上入力し「お財布作成」を選択します。
※セキュリティを高めるために、英数字や記号を含めた、不規則な40字以上のパスワードがおすすめです。

③Keystoreファイルをダウンロードして保存します。次に「わかりました。続けます」を選択してください。

④秘密鍵が表示されるので、メモして厳重に保管してください。秘密鍵の情報が他者に漏れると、ウォレットで管理するイーサリアムが悪用される可能性があるのでご注意ください。「お財布紙情報を印刷」ボタンで、秘密鍵を印刷できます。
最後に「アドレスを保存してください」を選択します。

⑤「アドレスを保存してください」を選択すると、以下の画面が表示されるので、「秘密鍵」を選択肢、先ほどダウンロードした秘密鍵を貼り付けてください。
すると、以下のようにアドレスが表示されます。

以上で、MyEtherWalletを活用したアドレスの生成方法は終了です。
最後に、取引所の自分の口座と紐づいているイーサリアムアドレスの確認方法をご紹介します。
ここでは、bitFlyerの口座に紐づいているイーサリアムアドレスの確認方法をご紹介します。
bitFlyerでイーサリアムのアドレスを確認する手順は以下の通りです。
- bitFlyerにログイン
- 「入出金」タブを選択
- 「ETHお預け入れ」を選択
- 「イーサリアムのアドレスを取得する」ボタンをクリック

イーサリアムのアドレスについて、4つの特徴と生成方法をご紹介しましたが、まとめると以下の通りです。
- イーサリアムアドレスには2種類ある
- アドレスから取引履歴を確認することができる
- 送金ミスで通貨を失う可能性がある
- ICOやエアドロップにに参加することが可能
イーサリアムのアドレスは、全世界に公開されていますが、アドレスから個人情報を知ることは極めて困難で、匿名性やプライバシーの保護にも優れていると言えます。
しかし誤送金をしてしまった場合は、戻ってこない可能性もあるので、その点に注意してイーサリアムの取引をしましょう。