目次

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  1. ビットコインのマイニングにはどの程度の電気代がかかる…?
  2. ビットコインマイニングにかかる電気代
  3. マイニングの電気代を抑えて、収益を出すには
  4. 《参考》マイニングプールの電気代
  5. 【まとめ】ビットコインマイニングの電気代
Large bitcoin mining

ビットコイン(bitcoin)など、仮想通貨のマイニングで収入を得ようとしている人が増えています。

ただ、マイニングの難しさは、収支の兼ね合いです。

つまり、マイニングによって得られる報酬のほうが、マイニングでかかった電気代を上回らなければ、ただの無駄になってしまうのです。

このページでは、ビットコインをマイニングする上で絶対に無視できない「電気代」について、わかりやすくご説明いたします。

まず、ビットコインマイニングは、どれほどの電気代がかかるものなのでしょうか。

マイニング機材を一ヶ月フル稼働させた場合の電気代は以下のようになります。

  消費電力 電気代/月
ノートPC
(11H/s)
80W 893.3円
ASIC
Antminer S9(14TH/s)
1,372W 15,321.4円

編集部の計算によると、一般的なノートPC(80W)を、CPUを1カ月間ノンストップでフル稼働させた場合の電気代は、「893.3円/月」でした。

(※東京電力の夏季以外の電気代を参考に算出しています。また、消費電力はノートPCで、CPUをフル稼働させ、また24時間を1か月回し続けた場合を想定しています)

東京電力の電気料金は、基本料金と、使った電力量に比例して徴収され電気料金の合計となります。(下記、東京電力電気料金参照)

同じ電力量を使うと仮定して、東京電力の電気料金の体系と比べると、北海道電力や東北電力の管内ではやや電気料金が高く、北陸電力の管内は、やや安いといえます。

一方、ビットコインマイニング専用ASICの代表的な存在である、BitmainのAntminer S9(14TH/s)の消費電力は、スペック上「1,372W」なので、電気代としては月に15,321円ほどかかる計算になります。

もっとも、マイニングASICのハッシュレート(採掘速度)は、ノートPCよりも遥かに大きいので、獲得した仮想通貨の報酬で、毎月黒字にすることは可能です。

あとは、マイニング専用ASICの購入費用を、マイニングで回収できるかどうかです。

参考までに、nicehashというサービスにハッシュパワーを売る(マイニングを協力する)ことで、報酬を得られるのですが、Antminer S9(14TH/s)を使用した場合の想定収益が約99,227円/月(885.96USD/月)となります。

出典元:nicehash

よって電気代を差し引いても、計算上は月間84,000円程度は利益を出せる想定になりますね。

Antminer S9が2,100USDということを考えると3ヶ月で元が取れる計算になります。

しかし、以下のような注意点はつきまといますので、マイニングを始める前の判断は慎重にしましょう。

  • ①マイニング機材を冷却するための機材の用意や、冷却装置稼働用の電気代がかかる
  • ②マイニング機材が故障する可能性がある
  • ③ビットコインの価格変動がある
  • ④マイニングに参加する人が増えるほど報酬が得られずらくなる
  • ⑤マイニング難易度が上がり、最新の機材を導入しないと報酬が得られづらくなる可能性がある

特に⑤になりますがビットコインは、マイニングの成功が特定の個人や組織に偏らないように、マイニングの難易度の調整をしています。

このことをdificulty調整と言うのですが、毎月dificultyが上がっておりそれに対応させるためのマイニング機材も日々開発されている状態となりますので、今のハッシュパワーで安定して利益が得られると安易に考えるのは避けた方がいいかと思います。

ビットコインのdificultyの推移を確認したい方はhttps://blockchain.info/にて確認することができます。

東京電力電気料金

  単位 区分 料金(税込)
基本料金 1kW - 1,101円60銭
電力量料金 1kWh 夏季
その他季
17円06銭
15円51銭

※参考 ノートPC電力計算式

80W(ノートPC)×24時間×30日=57.6kW

57.6kW×15円51銭=893.3円

次に、海外の電気代をみてみましょう。

一般財団法人電力中央研究所のレポートによると、日本は国際的に見て電気代は高いといえます。

1kW/hあたりで換算すると、ドイツやデンマークと同水準の約25円~35円です(2013年現在における為替レート)。

一方で、アメリカや韓国は10円前後、中国は4~5円、インドは0.1~7円と、日本と比べるとかなりの開きがあります。

電気代が低ければ低いほど、黒字化しやすいことはいうまでもありません。

日本の場合は、マイニングで利益を出そうとすると、電気代の高さのため、電気代の安い国と比べると不利になってしまうのです。

電気料金の大口契約を結んだり、消費電力のわりにハッシュレートが超高速な特製ASICを投入して、ようやく国内でも事業として成立するのではないかと考えられます。

現在、ビットコインマイニングで本格的に収益をだしていくには、ASICへの初期投資が必要です。

PCはASICと比べてハッシュレート(計算力)が低く、高性能のGPUを積んだPCでも、ASICには到底かないません。

ASICであれば、1秒間に10兆回のハッシュ計算を超える機種もあるほどハッシュレートは高く、マイニング報酬をあげるために必要最低限の機材であると言えます。

ただし、ASICはビットコインマイニング以外の用途には、使用できないツールであり、電気代だけでなく購入費用の回収も行なう必要性がでてきます。

なるべくASICへの投資の回収を早くするためにも、電気代を抑えることは重要で、特に以下の2つの対策がおすすめです。

  • ワットモニターを導入する
    経費である電気代(消費電力)をリアルタイムで計測できる機器です。コンセントへ直接差したワットモニターに、PCやASICの電源プラグを繋ぐと計測できます。ただ、コンセントに直接刺したままでは数値を読み取りにくいので、延長コードを使って見やすいところに置くといいでしょう。 消費電力量や積算電気料金の他、消費CO2(二酸化炭素)量を計測できるワットモニターもあります。
  • 電気代の料金プランを見直す
    電気の小売り事業が自由化されて以来、ガス会社などのライフライン事業者から、まったくの他業種まで、さまざまな業態が電気を提供しています。従来の電力会社よりもお得なプランも次々と登場しています。資料を取り寄せて、比較検討をしてみてはいかがでしょうか。

たとえば、ENEOSでんきでは、各種割引プランによる料金シミュレーションを、サイト上で行うことができます。

また、再生可能エネルギーによる電力提供事業者である、Looop社は、マイニング事業者向け電力プランマイニングフラットを2017年に発表しています。

10Aにつき、月額最低料金6,170円を支払うと、10Aにつき、毎月250kWhまで、電気料金が定額となります。つまり、40Aの契約であれば、毎月24,680円の支払いで、1000kWhまで使い放題となります。

Bitmain社のビットコインマイニング用ASICであるAntminer S9は、単純計算で毎月の消費電力が約1000kWhとなりますので、この「マイニングフラット40A」の定額料金プランで、電気代をギリギリまかなえることになります。

マイニング効率をあげる、マイニングソフト

もし、ビットコインを個人がマイニングするのであれば、複数のPCで協力してマイニングを行う「プールマイニング」がおすすめです。

また、ビットコインは成功確率が低いため、アルトコイン(イーサリアムやライトコインなど、ビットコイン以外の仮想通貨)の方が採算が合うこともあります。

MINERGATEは、マイニング報酬とマイニングに要する消費電力との兼ね合いで、最もマイニング効率のいいアルトコインの組み合わせを、自動で選択する機能をもつマイニングソフトです。

個人でも、マイニングのために相当な電気代がかかります。

では、Bitmain社のAntpoolなど、世界的に著名な巨大マイニングプールでは、ビットコインのマイニングにいくら投資をしているのでしょうか。

BTC.comのPool Statsによりますと、ビットコインマイニングで著名なAntpoolは、3.18 EH/sという世界最大のハッシュレートを記録しています(2017年12月現在)。

1秒間に318京回のハッシュレートですので、BitmainのAntminer S9(秒速14兆ハッシュレート)の22万7千倍となります。おそらく数万~数十万台のASICが、Antpoolには導入されていると考えられます。

さきほど、Antminer S9の消費電力は単純計算で、毎月約1000kWhを消費するとお伝えしました。この1000kWhの22万7千倍が、Antpoolの月々の消費電力だと考えられます。

所在地の中国で、電気代は1kWhあたり4~5円ということでしたが、電力会社と大口法人契約を結んでいるとして、1kWhあたり3円と仮定します。

すると、Antpoolの負担していると考えられる毎月の電気代は、約6億8千万円にのぼると算出されました。年間約82億円です。

国内では、2018年からDMM.comグループや、GMOグループが仮想通貨マイニング事業に参入することを表明しています。

日本国内でGMOが運営することになるマイニングプールのハッシュレートは、500PH/s(秒速50京ハッシュレート)と発表されていて、Antpoolの約6分の1の規模となります。

月間の電気代は、法人契約で1kWhあたり19円だと仮定して計算しますと、約6億9千万円で、Antpoolとほぼ一致しました。

ただ、マイニング報酬はハッシュレートにほぼ比例するといわれていますので、受け取れるビットコインの額は、Antpoolが圧倒することになります。

ビットコインマイニングの電気代について、見てきました。

Antpoolの例を見ても、もはや、ビットコインのマイニングは、莫大な投資を行なう、大手マイニング企業の独壇場であることがわかったのではないでしょうか。

マイニングは、自分のPCやASICで「仕事」をして、ビットコインなど仮想通貨を報酬として、受け取ることができる仕組みです。

しかし、マイニングが成功しない限り、報酬を受けとることができません。

そのため、ご自身の投資する予定の、ASICの代金や、電気代などの投資が回収できるのか、はじめるまえに慎重に検討しましょう。