目次

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  1. 仮想通貨≠電子マネー
  2. そもそも仮想通貨とは
  3. 電子マネーとは?
  4. 仮想通貨と電子マネーの特徴の違い
  5. 【まとめ】仮想通貨と電子マネーの違い
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ビットコインをはじめとする仮想通貨と、SuicaやPASMOといった電子マネー。

この2つの違いがはっきり分からない、という方は多いのではないでしょうか。

硬貨や紙幣がないという点では共通しているため、なんとなく同じものだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事では、仮想通貨と電子マネーの相違点についてご説明します。

「仮想通貨と電子マネーってどこが違うの?」
「そもそも仮想通貨や電子マネーの定義は?」

という疑問をお持ちの方は、ぜひご覧になってください。

まずは、それぞれの定義から、仮想通貨と電子マネーの違いを紐解いていきましょう。

※この記事で紹介する、電子マネーとは、SuicaやPASMO、Edyなど、前払式支払い手段(後述)のことです。

平成29年4月1日に施行された、資金決済に関する法律(資金決済法)2条5項にもとづく、仮想通貨の定義をご紹介します。

なお、本条文の1号と2号で区別して書かれていることから、「1号仮想通貨」「2号仮想通貨」という呼称があります。

それでは、発表された条文から、「仮想通貨とは何か」紐解いていきましょう。

「1号仮想通貨」とは、次の要件に該当する仮想通貨のことです。

【仮想通貨の定義】

物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

e-Gov法令検索

つまり、1号仮想通貨とは、現金と同様に、『不特定多数の相手に対し、流通手段、支払い手段として使用可能』で、『電子的に、価値を移転できる』もの、具体的には、ビットコイン(BTC)が、1号仮想通貨に該当すると考えられます。

この時点で、SuicaやPASMOといった電子マネーは、1号仮想通貨に該当しないことが分かります。

たとえば、1号仮想通貨の要件に「不特定の者に対して使用することができるもの」とありますが、SuicaやPASMOなど電子マネーは、決済システムに対応している加盟店でしか利用することができません

また、SuicaやPASMOは、円建(円を担保に)発行されるもので、「本邦通貨通貨建資産でないこと」という要件を満たさず、やはり1号仮想通貨ではないということになります。

そして、「2号仮想通貨」とは、次の要件に該当する仮想通貨のことです。

【2号仮想通貨の定義】

不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

e-Gov法令検索

つまり、2号仮想通貨とは、『1号仮想通貨と双方向での交換が可能』で、『電子的に、価値を移転できる』もの、ということではないでしょうか。

具体的には、イーサリアム(ETH)など、支払いや送金、決済目的以外で使用される仮想通貨のことを指していると考えられます。

この説明を見る限り、1号仮想通貨のこと(前号に掲げるもの)と、SuicaやPASMOなど、後述する前払式支払手段は、相互に交換できないため、現時点では、仮想通貨には属さないと考えられます。

※イーサリアムを支払い・送金手段として活用している、店舗や個人は存在するので、イーサリアムは2号仮想通貨に該当しない可能性があります。

ここまでの説明で、1号仮想通貨と2号仮想通貨とは何か、お分かりいただけたかと思います。

次に、電子マネー(前払式支払手段)とは何か、確認していきましょう。

私たちが、普段使用している、SuicaやPASMOは、正式には、『前払式支払手段の一種』で、他には、商品券やカタログギフト件、プリペイドカード(プリカ)などが該当します。

商品券やプリカは、あらかじめお金を払っておいて、買い物のときに決済するので「前払式支払手段」というわけです。

一般社団法人日本資金決済業協会:前払式支払手段ご利用者のみなさまへ

また、一般社団法人日本資金決済業協会:どのようなものが前払式支払手段に該当しますか?によると、乗車切符やチケットは、使用できる期間が決まっている(一定期間でした利用できない)ため、前払式支払手段には該当しないそうなので、注意してください。

これらのことから、前払式支払手段とは、通貨建資産といえます。

これまでの定義から考えると、仮想通貨と電子マネーの違いは以下の通りです。

  1. 通貨建資産か否か
    ・仮想通貨:No
    ・電子マネー:Yes
  2. 利用できる範囲
    ・仮想通貨:不特定多数の店舗や個人
    ・電子マネー:決済システムに対応している加盟店

ここまで、定義から仮想通貨と電子マネーの違いを紐解いてきましたが、次の段落からは、仮想通貨と電子マネーの特徴から、違いを紐解いていきたいと思います。

ここからは、仮想通貨と電子マネーの違いについて、以下の特徴からご説明します。

  1. 交換性の違い
  2. 発行に関する違い
  3. 価値保証の違い
  4. 価格変動の違い

それでは早速、交換性に関する違いからみていきましょう。

  • 仮想通貨
    →不特定多数の人に対して譲渡ができ、他の通貨や現金へ交換することができる。また、相互に直接送金することが可能。
  • 電子マネ
    →基本的な電子マネーは利用者から発行元企業(もしくは加盟店)の一方通行でしか交換できない。

仮想通貨が個人間で自由にかつ相互に取引できるのに対し、SuicaやPasmoといった電子マネーにおける取引(やりとり)は一方的です。

次に、発行元や発行の自由度など、発行に関する違いを見ていきましょう。

発行に関する違いでは、発行元と、発行方法に関する違いをご紹介します。

  • 仮想通貨
    →基本的に、不特定多数のネットワーク参加者により、マイニングやフォージングという取引の承認作業のを行うと、仮想通貨(コイン)が新規発行される。(※)
  • 電子マネ
    →内閣総理大臣への届け出や申請し、承認が下りた特定の企業・機関が、消費者からデポジット(チャージ)されたお金(円など)を元に発行。

仮想通貨では、発行元は不特定多数の参加者で、取引の承認作業に参加すれば、誰でも自由に仮想通貨を発行できます。

一方、電子マネーの場合、発行元は通常、特定の企業や機関で、内閣総理大臣認可が必要で、自由に発行はできません

注意事項

仮想通貨(トークン含む)は、現在1500種類以上存在するといわれ、通貨によって発行元や、発行方法は様々です。

今回は、代表的なビットコインを参考に、発行関連の違いをご紹介しました。

例えば、リップル(XRP)という仮想通貨では、コインの新規発行はなく、コインを発行する企業(リップル社)が存在します。

取引の承認作業を、つまり、発行作業を一部のネットワーク参加者が担う、仮想通貨もあり、全ての仮想通貨で、自由にコインを発行できる訳ではありません。

ここで紹介した、仮想通貨と電子マネーの発行関連の違いは、あくまで一例なのでご注意ください。

次は、価値が保証されているかどうか、その違いを見ていきましょう。

  • 仮想通貨
    →プロジェクト自体に価値がなくなったら、コインの価値がなくなる。
    国や企業が価値を保証していない場合があるので、価値がなくなった際の、損失はすべて自分で背負うことになります。
  • 電子マネ
    →発行主体である企業や個人が倒産した場合、全額ではないが、一部のお金が戻ってくる場合があります。 利用者保護のため、資金決済法で、電子マネーを発行する一部の企業や機関に、発行保証金を法務局に申請することが義務付けられているからです。

仮想通貨の場合、プロジェクトが破綻してしまえば、通貨としての価値はなくなる可能性が高いですが、電子マネーであれば、全額ではありませんが一部のお金が戻ってくることがあります。

価値の保証という観点で見ると、仮想通貨には保証がなく、電子マネーは部分的に保証があるということです。

それでは、価格変動の影響に対する違いはどうでしょうか?次の段落でご説明します。

  • 仮想通貨
    →売買するための市場が存在し、株や為替のように価格が変動します。
  • 電子マネ
    →デポジットした1000円は、1000円の価値のまま。価値変動はないと考えられます。

仮想通貨は、株や為替、金のように売買するための市場が存在しており、価格が常に変動しており、1日で数十%の値動きをすることも稀ではありません。

一方、電子マネーの価値が変動することはありません。

たとえば、Suicaに1,000円チャージすれば、1,000円の価値は時間を経ても同じ1,000円のままだからです。

次の日に800円になっていたり、1,200円になっているということはありません。

以上、仮想通貨と電子マネーの違いについてさまざまな面から比較してきました。

これまで両者の相違点がはっきりしなかった方や、定義が明確でなかった方も、仮想通貨と電子マネーは異なるものだと、ご理解いただけたのではないでしょうか。

通貨建資産かどうか、利用できる範囲という定義の違い以外にも、交換性、価値の保証、価格変動の有無など、さまざまな特徴の違いがありました。

これから仮想通貨の実用化が進んできたときに、この違いがどのように使い分けられるかを考えてみるのも、良いかもしれませんね。