目次

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  1. リップルが中国政府や企業との提携を発表
  2. 中国の規制当局がリップルのxCurrentのテストを行うと発表
  3. 中国の大手eコマース企業「LianLian International」がリップルとの提携を発表
  4. なぜ中国の金融機関や企業はリップルと提携するのか?
  5. <まとめ>リップルと中国の関係性
Large ripple

世界中の銀行などと業務提携をはかっているリップル社(Ripple Inc.、以下「リップル」)。

リップルは特に、「中国」をビジネスの進出先として重要な地域の一つと捉え、パートナー展開を進めています。

この記事をご覧の方の中には、「リップルと中国の関係性を知りたい」とお思いの方もいらっしゃると思います。

本記事ではリップルと中国の関係について、企業などとの提携のニュースを中心にご紹介していきます。

(リップルと中国の関係性について確認する前に、リップルについて詳しく知りたい方は、以下の「リップルとは?」の記事をご覧ください)

世界の中でも中国は大きな送金先として需要をかかえる地域であり、リップルも中国の企業と提携するなど、中国エリアへのビジネス展開を進めつつあります。

リップルが提携している中国の機関や企業の中で、今回は以下の2つのニュースについてご紹介していきます。

  1. 中国の規制当局がリップルのxCurrent(※1)のテストを行うと発表
  2. 中国の大手eコマース企業「LianLian International」がリップルとの提携を発表

リップルは世界中の銀行と提携を発表していますが、仮想通貨に対して厳しい規制を設ける中国の規制当局が、リップルの製品を使うというニュースは多くの人を驚かせました。

xCurrent(エックス・カレント)とは
リップルが開発した製品の一つで、銀行や金融機関向けの国際送金のためのソフトウェア。xCurrentは、すでに世界中の銀行で実用化に向けた検討や実証実験が発表されており、シェアを広げているリップルの代表的な製品です。

xCurrentについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

以降の章で、リップルと中国の提携に関するニュースについて、具体的な内容を見ていきましょう。

2018年3月、中国の規制当局・銀行・支払い業者が協力して、リップル製品であるxCurrentのテストを行うことを発表しました。

xCurrentを金融機関に採用することで、銀行の支払い業務のインフラ(基盤)を改革することが期待されています。

中国の規制当局や銀行などが目指すものは、具体的には以下の通りです。

  • 国際送金時間の短縮
    今までは国際送金に3~5日を要していたが、中継銀行を介さない直接送金が可能になるため、送金時間が数分単位に縮められるとされている。
  • 銀行から銀行への支払いを追跡すること
    中継銀行を介さないことで、リアルタイムな資金の追跡が容易になる。

リップル社によると、2018年3月時点では中国の規制当局と計画を練っている段階であり、2018年末までには計画が固められる予定ということです。

そして、リップル社のアジア地域における政府&規制当局担当のリーダーであるSagar Sarbhai氏は、中国との関係について次のように述べています。

This year you will see more announcements coming in on China, in terms of ‎educating and differentiating us from some of the other cryptocurrencies that are out ‎there.

Chinese Regulators, Banks Set to Test Ripple's Settlement Solution | Finance Magnates

(意訳)
今年、中国においてさらなる情報が発表されるだろう。それは、リップルが中国から排除された他の暗号通貨と異なり、良い知見を得られることを示す情報になるだろう。

Sarbhai氏によると、現在は中国の銀行との規定の調整に時間をかけており、2018年末に向けて計画を固めるには、まだ少し時間がかかるとのことです。

次に、eコマース企業「LianLian International」とリップルの提携に関するニュースを確認していきましょう。

2018年2月、中国の大手eコマース企業(支払い業者)である「LianLian International」は、リップル製品のxCurrentを導入する計画があることを発表しました。

LianLian Internationalは、世界中の金融機関と提携しているリップルのxCurrentを活用することで、以下の実現を目指しています。

  • 世界中の銀行や送金業社に対する迅速かつ低コストな送金
  • ローカルな金融機関への現地通貨での支払い

世界のマーチャント(店舗)や購入者を相手にするLian Lian Internationalは、リップルと提携することで市場シェアを拡大できるのではないかと考えられます。

香港に本拠地を置くLianLian Internationalは、中国を代表するeコマース企業で、同地域に1.5億ものユーザーを抱えています。

参考情報:中国におけるeコマース市場の規模
eコマースの世界市場は2017年時点で4兆ドル(400兆円相当)と大きく、その中でも中国市場は6720億ドル(67兆円相当)と高い割合を占めています。

そのうち、eコマースに伴う国際送金の総額は、中国だけでも2018年には1.32兆ドル(132兆円相当)に上ると見積もられており、大きな需要が見込まれているのです。

同社はeコマース市場において、Amazon、Ali Express、eBayなど大手リテールサイトを含むマーチャント(店舗)と購入者の間の支払いを処理しており、支払いの需要は国内外の双方に及びます。

そのような背景の中、LianLian Internationalとリップル社の提携は、大きなビジネスを生み出すと期待できますね。


参考元:LianLian International Joins RippleNet to Provide Faster Payments into China(Ripple Insight)


次の章では、なぜ中国の金融機関や企業がリップルとの提携に合意しているのか、その理由を説明します。

リップル社が中国の金融機関や企業とビジネス提携することで、お互いにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

中国側のメリットと、リップル側のメリットについて整理してみましょう。

リップルを導入することによって中国の金融機関や企業が得られるメリットは、外国の企業などへ即時に低コストで国際送金が可能になることです。

すでに説明した通り、中国はアメリカやヨーロッパ地域からの大きな送金需要を抱えています。

速く、安く国際送金ができることで、中国の企業は大きなコスト削減を実現でき、営業利益に繋がることが期待されています。

中国の金融機関や企業と提携することのリップル社のメリットとしては、今後成長が見込まれる中国の大きな市場においてシェアを得ることと言えるでしょう。

世界中の銀行とのパートナーシップを持つ「The World Bank Group」が2017年10月に発表した内容によると、この2年で落ち込んでいた先進国から新興国への送金需要は、今後回復の見込みにあるとのことです。

その中でも、インドを筆頭として中国、フィリピン、メキシコ、ナイジェリアなどの新興国(一部先進国)への送金の需要が、今後大きく成長すると予測されています。

インドへの送金需要650億ドルに対して、中国はその次に位置しており、630億ドルもの送金需要が見込まれているそうです。

そんな中国への送金網を抑えることは、世界の国際送金をターゲットにビジネスを展開するリップル社にとって、重要なミッションであると言えるでしょう。

リップルと中国の関係について、提携のニュースを中心に解説してきました。

今回ご紹介したニュースは以下の2つです。

  • 中国の規制当局がリップルのxCurrentのテストを行うと発表
    中国の規制当局や銀行などは共同で、即時の国際送金や支払いの追跡を実現するためにxCurrentのテスト利用を発表。
    銀行の支払い業務を基盤から改革することを目標に、2018年中の計画策定を目指しています。

  • 中国の大手eコマース企業「LianLian International」がリップルとの提携を発表
    中国から国内外への送金需要を持つ同社は、店舗と購入者間の支払い処理にリップルのxCurrentを導入し、即時かつ低コストで国際送金を行うことなどを計画しています。

どちらの事例もまだ計画段階ではありますが、大きな市場での実用化が期待されますね。

また、中国とリップルが提携することによって、双方には次のようなメリットが考えられます。

  • 中国側のメリット:リップルによって即時かつ低コストな国際送金が可能になり、業務効率化が期待される
  • リップル側のメリット:中国での国際送金需要は拡大することが予想されており、中国の金融機関や企業と提携することはビジネスのシェア拡大に繋がる

仮想通貨への風当たりが厳しい中国ですが、その市場の大きさから、リップルが中国でのシェアを獲得できれば大きなメリットとなることが予想されます。

今後のリップルのビジネスにとっても中国は重要な市場であるため、引き続きリップルと中国市場に関する情報には注目していきたいですね。